石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

米俳優ジョージ・タケイ、アラバマ同性婚阻止に「薬指」を立てて抗議

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2015年3月3日、米国アラバマ州最高裁が、同州での同性カップルへの結婚許可証発行を中止せよとする命令を下しました。これに対し、オープンリー・ゲイの俳優ジョージ・タケイ(George Takei)が、ユニークな方法で抗議しています。

詳細は以下。

George Takei Gives Alabama 'The Finger' Over Gay Marriage Ruling With Social Media Campaign

ジョージ・タケイはTVドラマ『スタートレック』シリーズの「ヒカル・スールー」役で知られる日系アメリカ人俳優。2005年に同性愛者であることをカミングアウトし、2008年にパートナーのブラッド・タケイ(Brad Takei)氏とカリフォルニア州で結婚しています。

そのジョージが、今回のアラバマ州最高裁の判断に異を唱えてInstagramに掲載した写真がこちら。

写真に添えられたキャプションをちょっと訳してみます。

アラバマは先ほど、米連邦最高裁に向かって中指を立てて侮辱しました。連邦政府からの命令があるにもかかわらず、同州での結婚の平等を中止したのです。カップルたちよ、これに応えよう! ゲイだろうとストレートだろうと、アラバマに対して左手の薬指を突き立てる写真をFacebookかTwitterにupして、#LuvUAlabamaというタグをつけてください。自分の住んでいる州をタグづけして(例:#NY)、アメリカ全土の地図に加わってください!

ちょっと補足説明しておくと、「米連邦最高裁に向かって中指を立てて侮辱した」というのは、2013年に米連邦最高裁が下した、「結婚は男女の間だけのものとするのは違憲」という判断をアラバマ州が軽んじたという意味です。「連邦政府からの命令」という部分は、2015年1月、連邦裁判所判事が同州の憲法および法律に関して、「同性婚禁止は違憲」とする判決を下したことを指しています。アラバマ州ではこの判決後、2月9日に一旦同性婚が法制化されてはいるんですよ。それが今回、3月3日の州最高裁命令でまたしても同性婚禁止となってしまったことに、ジョージ・タケイは立腹しているんです。

試しにTwitterをハッシュタグ#LuvUAlabamaで検索すると、そりゃもういろんな人がこの呼びかけに賛同して薬指を立てているのがわかります。

海外からも参加者が。下の写真は英国ヨークシャーから。

「この指輪が欲しけりゃ、俺を殺して持って行くこった」

「やあアラバマ、自分は独身だから見せるべき指輪はないが、それでもこれは持ってるぜ(と中指を立てる)」

このキャンペーンがユニークなのは、ハッシュタグと写真によって、これが(1)アラバマ州だけの問題でもなく、(2)ゲイだけのことでもなく、(3)パートナーがいる人だけの話でもないとひと目でわかるという点だと思います。それからもうひとつ絶対に忘れてはならないのは、ジョージ・タケイが今回の呼びかけに関してハフィントンポストに送ったメールの、以下の部分の持つ重み。

ご存知の通り、60年前には、白人がわたしのようなアジア系アメリカ人と結婚したいと思っても、それは本物の結婚とはみなされませんでした。そして今、ほら、わたしは白人男性と結婚しているんですよ。時代は変わるんです。人の考えも変わるんです。いい方へと変わるんです。

You know, 60 years ago it wasn't considered a real marriage if a white person wanted to marry an Asian American like me. And now look, I married a white dude. Times change. Attitudes change. And for the better.

ジョージ・タケイは第二次世界大戦中、日系人だからという理由で家を追われ、収容所に拘留された経験を持っています。彼がここで言う「時代は変わる」「人の考えも変わる」というのは、「放っておいても自動的にいい方に変わる」ということではなく、「わたしたちがいい方に変えていくのだ」という意味のはず。「単に自分がゲイだから同性婚に賛成する」っていうだけの話じゃないのよ、これは。