石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

収入の多い順に並べると、異性愛者男性>ゲイ男性>レズビアン>異性愛者女性(カナダ研究)

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カナダのマギル大学の研究で、「収入の多い順に並べると、異性愛者男性>ゲイ男性>レズビアン>異性愛者女性となる」ということがわかりました。

詳細は以下。

Canada study confirms that gay men earn less than straight men | Gay Star News

この研究では、同国の2006年の国勢調査のデータをもとに、異性愛者と同性愛者の収入格差が比較されました。エスニシティによる影響を除外するため、白人のデータだけを使用したそうです。結果として、もっとも収入が多いのは異性愛者男性であり、その次がゲイ男性、次がレズビアン、そしてもっとも低収入なのは異性愛者女性であることがわかりました。

The Atlanticによれば、今回の研究では、パートナーがいるカップル同士で比較した場合、ゲイ男性は異性愛者男性より収入が5パーセント低く、レズビアンは異性愛者女性より8パーセント高かったとのこと。

どうしてこんな結果になるのか。この研究を手がけたWaite氏とDenier氏は、Gender & Societyに掲載されたアブストラクトの中で、異性愛者女性には「母親の育児ペナルティ」("motherhood penalty"、出産・育児による賃金水準低下)がある一方、異性愛者男性には「父親の育児プレミアム」("fatherhood premium"、子どもを持つことによる賃金水準増加)があることが影響している可能性を示唆しています。ちなみに、パートナーと夫婦同様の関係にある同性愛者の場合、子どもの有無や結婚しているかどうかは(注:カナダでは2005年から同性婚が認められています。また、2006年時点では、同性カップルの9.0%が子どもを育てていました)賃金に影響を及ぼしていなかったとのこと。

これまでに発表されている、世界銀行メルボルン大学の先行研究でも、やはり「異性愛者男性>ゲイ男性>レズビアン>異性愛者女性」の順で収入が多いという結果が出ていましたよね。このような格差が生じる原因としては、「オープンリー・ゲイの男性は会社への貢献やリーダーシップ能力などを適切に評価されていない可能性がある」、「レズビアンはヘテロ女性よりキャリア志向が強い」などの指摘がされてきています。しかし、育児ペナルティと育児プレミアムの影響について論じた意見は初めて読んだので、目からウロコでした。今度子どもを持つ同性愛者がさらに増えていくと、収入ごとの序列もまた変動していくのかもしれませんね。

一昔前まで、「同性愛者は高学歴・高所得が多い/子どもがいない分だけ可処分所得が多い」みたいな神話があったように思います。未だにそれを漠然と信じ込んだまま「LGBT市場! LGBT市場! 儲かる!!」と興奮している人も少なくないようですが、これらの研究を見るに、現実はそこまで単純ではないようです。いちばんカネ(と権力)を持ってるのは、相も変わらずヘテロ男性。そこに気づかずLGBTピープルに向かって「よう、おまえらガキがいねえんだからカネ余ってんだろ。ちょっとそこで跳ねてみな」とニヤニヤにじり寄ってくるよな「LGBT市場戦略」は結局失敗するしかないだろうなー、とあたしは思ってます。