石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

レズビアン差別のオレゴン州パン屋に賠償命令 13万5千ドル

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2013年にレズビアンカップルへのウエディングケーキ販売を拒否した米オレゴン州のベイカリーが、2015年7月2日、同カップルに賠償金13万5千ドル(約1650万円)を支払うよう命じられました。

詳細は以下。

Final order: Sweet Cakes bakery must pay $135,000 to lesbian couple | Local & Regional | KATU.com - Portland News, Sports, Traffic Weather and Breaking News - Portland, Oregon

このベイカリー、「スイート・ケイクス・バイ・メリッサ」(Sweet Cakes by Melissa)は2013年1月27日、同性愛者は「主の憎まれるもの」だからという理由で、レズビアンカップルへのウエディングケーキ販売を拒否。性的指向による差別を禁じた州法に違反しているとして、このカップルから訴えられていました。詳しくは以下を。

州の労働産業局(Bureau of Labor and Industries)は、この販売拒否を違法と判断。店主のアーロン&メリッサ・クライン(Aaron and Melissa Klein)氏に対し、同カップルの精神的苦痛への賠償金13万5千ドルを支払うよう命じたとのこと。

「これはウエディングケーキについての事件でも、結婚についての事件でもない。企業による、性的指向にもとづくサービス提供拒否事件である。それはオレゴン州の法律では違法なことである」と、最終命令は述べている。

オレゴン州の市民的施設での取り扱いを定めた法には、あらゆる人はどんな性的指向であろうと社会に完全に参加する自由を持つという、人間の品位の基本原則がある。頑固な偏見によって縛られることなく、公共の場に入り、買い物をし、食事をし、移動することができるのである」

“This case is not about a wedding cake or a marriage. It is about a business’s refusal to serve someone because of their sexual orientation. Under Oregon law, that is illegal," the bureau's final order states.

"Within Oregon’s public accommodations law is the basic principle of human decency that every person, regardless of their sexual orientation, has the freedom to fully participate in society. The ability to enter public places, to shop, to dine, to move about unfettered by bigotry.”

米ハフィントンポストによると、クライン夫妻は控訴すると表明しているそうです。

13万5千ドル(約1650万円)というと、かなりの大金ですね。クライン夫婦を支持する人々がこの金額を寄付で集めようとする動きもあったんですが、州の差別禁止法に抵触するキャンペーンと認定されて、結局中止になっています(アンチゲイなピザ屋が84万ドルもの寄付金を集めてしまったインディアナ州とは、そこがちょっと違うみたい)。控訴でどこまで行くんですかね、これ。クライン氏は信仰の自由を主張しているものの、今の米国の司法が、それをあらゆる人の「偏見によって拘束を受けることなく、公共の場に入り、買い物をし、食事をし、移動する」権利より上に置くとは思えないんだけどなあ。