石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

両性愛は「一時的なもの」じゃない:カーラ・デルヴィーニュがヴォーグに反論

Vogue [US] July 2015 (単号)

英国の女性モデルでオープンリー・バイセクシュアルのカーラ・デルヴィーニュ(Cara Delevingne)が、彼女の両性愛を「一時的なもの」かもしれないとほのめかした雑誌「ヴォーグ」に反論しています。

詳細は以下。

Cara Delevingne smacks down critics: My sexuality is not a phase · PinkNews

ことのおこりは2015年6月。「ヴォーグ」がカーラのインタビュー記事内で、以下のようなことを書いたんです。

「彼女の両親は、カーラが女の子とつきあうのは単に一時的なものと考えているようだ。そして、彼らは正しいのかもしれない」

Her parents seem to think girls are just a phase for Cara, and they may be correct.

このあとインタビュアーは、カーラに「男性を信じろ」という提案までしています。ちなみにカーラは米国の女性シンガーソングライター、セイント・ヴィンセント(St. Vincent)との交際を公表していて、このインタビューでも「最近ありのままの自分自身にとても満足しているのは、ガールフレンドと恋愛中だからということが大きい」と話してるんですよ。そういう話を聞いた後に、この反応ですかい。

だいたいこの「一時的なもの」(a phase)ってことば、LGBTコミュニティーにとっては鬼門でしてね。トランスジェンダーの女の子は「一時的な」気の迷いだからとスカートをはかせてもらえず、Aセクシュアルの人は「性愛に興味がない? いい人が見つかれば変わるよ!」と決めつけられます。思春期のレズビアンカップルには、ほぼ間違いなく「そんなのは今のうちだけ」「男を知れば変わる」等々の偏見が押し付けられ、バイセクシュアル女性もほぼ同様。迷惑なんすよ、こういうの。

こうした押し付けの背後にはおそらく「シスヘテロだけが盤石のセクシュアリティーを有しているのであり、それ以外はいずれシスヘテロへと戻って来るのだ」という謎の思い込みがあるんでしょうが、そうそう「戻って」来たりなんかしないわよ鮭じゃあるまいし! だいたい、ジェンダーやセクシュアリティーはとてもプライヴェートなもので、他人が勝手に判断したり指図したりしていいもんじゃないのよ!

上記記事を問題視し、「ヴォーグ」に謝罪を求めるオンライン署名には、既に2万人以上の署名が集まっています。一方、当のカーラ・デルヴィーニュはニューヨーク・タイムズの取材に対し、「ヴォーグ」の記事は「悪意はまったくない」ものだと述べつつも、次のように話しています。

「わたしのセクシュアリティーは一時的なものではありません。これがわたしという人間なんです」

“My sexuality is not a phase. I am who I am.”

短いけれど、的を射たことばだと思います。