石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

ケイトリン・ジェンナー、上から目線で同性婚をジャッジ

I Am Cait

カーダシアン家の一員で、2015年4月にトランス女性としてカミングアウトしたケイトリン・ジェンナーが、エレン・デジェネレスの番組で同性婚に関する保守的意見を開陳しました。

エレンとの対話はこちら。

インタビュー中、ケイトリンはエレンからの指摘で、自分が共和党員として以前同性婚に反対していたことを認めます。ただし、それが「15年から20年前」のことで、しかも自分は「伝統主義者」であり、「ここにいる観客達より年上」なのだという言い訳つきで。その上で、今は反対していないと説明し始めるのですが、そこの言い回しがなんだかおかしいの。

もし「結婚」ということばがあなたたちにとって本当に、本当にそこまで大事なら、それ(同性婚)に同意してもいいです。

If that word "marriage" is really, really that important to you, I can go with it.

「もし『結婚』ということばがあなたたちにとって本当に、本当にそこまで大事なら」って、この人、米国内での同性婚論争を何ひとつ見て来なかったのかと。パートナーが戦死しても訃報ひとつ来ず、遺族給付も受けられない人がいたり、外国籍のパートナーに配偶者ビザが降りず、自殺してしまった人もいたりするという不平等はガン無視ですかい。誰もことばの話なんかしてない、平等の話をしてるのに、何を上から目線で「同意してもいい」とかなんとかほざいてんのよ。

もうひとつ付け加えると、that word "marriage"というところで、ケイトリンはわざわざ両手をカニのハサミみたいにして人差し指と中指を曲げるしぐさをしてるでしょ。あれはダブルクォーテーションマークを指すジェスチャーです。そして、同性同士の結婚の話をするとき、marriageという語をわざわざダブルクォーテーションマークで囲むのは、「あいつらは『結婚』と呼んでいるが、こんなのは本当の結婚じゃないんだ」と言いたがる保守派のお決まりのやり方。いい例が2015年1月にエレンを中傷したLarry Tomczakなる牧師で、エレン自身がそれをおちょくったジョークを言ってます。

そのエレンの前で、わざわざあんなしぐさをするだなんてねえ。本っ当に何も考えてなかったのねえ。

エレンはこの後、『ハワード・スターン・ショウ』でこのケイトリンとのやりとりについて話しています。

エレンの言っていることを一部訳すと、こんな。

彼女はまだ同性婚をジャッジしてる。(中略)自分は人から理解されたい、受け入れられたいと思っている人が、それでもなお同性愛者や同性婚については批判的だというのは本当にややこしいわ……

She still has a judgment about gay marriage...you're wanting people to understand and accept you...this is like really confusing to people and you still have a judgment about gay people and marriage...

本当にねえ。ちなみにAfterEllenのコメント欄はもっと辛辣で、ケイトリンが性別移行前から持っていたリッチな保守的共和党員としての特権をゴルフ場会員権になぞらえ、「名義をブルース(ケイトリンの男性名)からケイトリンに書き換えたゴルフ場会員権をせいぜい楽しんでね」と皮肉られています。うまいこと言うなあ。ちょっと前に発表されたケイトリンが主役のドキュメンタリー("I am Cait")、何かひっかかるものがあって見てなかったんだけど、わざわざお金出して買わなくて正解だったかも?