石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

妹がホモフォビックないじめに遭ったゲイ男性、Facebookでみごとな反撃

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Facebook / n.bhupinder

マンチェスターの11歳少女、ローラ・フリンダース(Lola Flinders)さんは、ある日、学校の男の子からゲイの兄ちゃんがいるなんてキモイといじめられました。それを知った当の兄ジョーゼフ(Joseph)さんが、いじめっ子宛の痛快な手紙を公開しています。

詳細は以下。

This Gay Guy Stood Up To His Little Sister’s Bully With An Open Letter On Facebook - BuzzFeed News

ジョーゼフさんはある夜、ローラさんの面倒を見ていて、妹が目に涙を浮かべているのを発見。「お兄ちゃんがいやな気持ちになるから」と話したがらない彼女から、なんとかいじめの事実を聞き出したのだそうです。その後ジョーゼフさんはホモフォビックないじめっ子に宛てた手紙を書き、Facebookで公開しました。書き出しはこんなです。

ぼくの妹を、ゲイの兄がいるという理由でつらい目に遭わせた不愉快なちびのヒキガエルへの公開書簡。まともなしつけとはどういうものなのかという例を、ちょっと見せてやりたいと思ってね。これはぼくがゲイ・プライド・パレードで撮った、ぼくと妹の写真だ。妹はぼくと一緒に参加したいと言ったんだ。11歳にしちゃ、すごくクールだろ?

こんなに心が広く、思いやりがあって、愛情深い子は見たことがない。きみのような憎しみに満ちた人間に、妹を少しでもおとしめてほしくはない。

An open letter to the odious little toad who gave my baby sister a hard time for having a gay big brother. I just wanted to give an example of what a decent upbringing looks like. This is a photo I took of us at the gay pride parade, which she asked to attend with me. I think that’s pretty cool of an eleven year old, don’t you?

I’ve never known such an accepting, compassionate, loving child and I don’t want your hate-filled existence making her any less than she is.

ここでいう写真というのはこちらです。

ジョーゼフさんはこの後、狭量ないじめっ子を「絶滅しかけの種族」と揶揄した上で、手紙の最後をこう結んでいます。

妹はすばらしい子で、自分の兄がゲイだと人に言うとき、これ以上ないほど誇りに思ってくれているとぼくは思う。だからきみはせいぜい憎悪を振りまいて喜んでいればいい。誰もそんな憎悪に興味なんか持たない。

I think she’s pretty great and she’s prouder than ever to tell people her brother is gay. So enjoy spreading hate to nobody that gives a toss.

この公開書簡には「ぼくのゲイのお兄さんになってください」「結婚してくれ」など、ポジティブなコメントが殺到。中には「不愉快なヒキガエルと呼ばれた子のことをちょっと(ほんとうにちょっと)はかわいそうに思うべき。そういう子は生まれつきホモフォビックなわけじゃなくて、明らかに家族の影響のせいなんだから」てな声もあるんですが、よく見たらそれを書いてたのはジョーゼフさんとローラさんのお母さんでした。なるほど、こういうお母さんだからこういう子たちが育つのね、となんだか納得。

ちなみにローラさんが参加したゲイ・プライドというのは2015年8月末のマンチェスター・プライドのこと。ほら、地元のレズビアン警察官がノリノリで踊ってたあのプライド・イベントです。ジョーゼフさんによると、ローラさんはお兄ちゃんのためにレインボーのリストバンドを作ってくれた上に、「友達の前で恥ずかしいと思うなら断ってくれていいんだけど、一緒に行ってもいい?」と聞いてきたのだとのこと。当日のローラさんは、パレードにガンダルフ(サー・イアン・マッケラン)が来ていたことにたいへん感動していたそうです。

……なんかこういう話を読んじゃうと、最近の日本で時々見かける「ディズニーで同性結婚式だなんて、子供に説明できない」だの、「パレードなんて何の役に立つんだ」だのという論がますますアホらしく思えてきますな。「説明できない」も何も、アナタが普段から子供に「人と違う者はいじめて当然」とかなんとか刷り込んでなければ、「同性同士でも式は挙げられる」と話すだけで終わりでしょ。小さな子だって、ちゃんとわかるよ。パレードだって、11歳の女の子が誇りに思ってる兄ちゃんと一緒に参加して、ガンダルフ見て喜んでるのなら、それでいいじゃん。

あと思うんだけど、たまたま同性同士の結婚式を見かけただけの子供のことを心配するぐらいなら、この「ヒキガエル」みたいな、誰の権利も侵害していない人にわざわざ近寄っていって加害する子のメンタリティーの方をもっと心配してほしいわ。よく言われることですけど、LGBTイシューの原因はいつだって非LGBTの(マジョリティーの)側にあるんですからね。小さな子供をローラさんみたいな子にするのも「ヒキガエル」みたいな子にするのも周りの大人なんだし、心配するならそこだとあたしは思ってます。このいじめっ子の男子が、これを機に適切な支援や教育を受けて、もういじめをしなくなってくれるようだといいなあ。