石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

ロシア当局に潰されたLGBT支援サイトがあの曲とともに復活

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ロシアのLGBTユースを支援するオンラインサイト「Deti-404」が、当局からSNSの公式ページを閉鎖させられたにもかかわらず、さらに参加者を増やして復活したそうです。しかも、あのゲイゲイしい曲と一緒に。

詳細は以下。

Russia shuts down LGBTI youth group, LGBTI youth group then returns with more members than ever | Gay Star News

Deti-404 (英語だと『Children-404』) は、ロシア版Facebookと呼ばれるSNS、フコンタクチェ(VK)で活動しているLGBTユース支援団体。性的少数者のティーンエイジャーが匿名で体験記をシェアしたり、プロによる心理支援を受けたりできる安全な場所を提供しています。「404」の名は、Webにおけるエラーメッセージ「404 Page Not Found」(ページが見つかりません)から取ったもので、LGBTの子供たちが社会の中で見えない存在にされてしまっていることを象徴しているとのこと。

ロシアはこれまで、未成年者に同性愛について教えることを禁じた法律(『同性愛宣伝禁止法』。『反同性愛プロパガンダ法』とも)を盾に、Deti-404を潰そうとしてきました。2015年7月には、裁判所が創始者のElena Klimovaさんに50000ルーブル(約13万円)の罰金を申し渡し、国の監視機関に同団体のVK公式ページを消させるという判断を下しています。

で、2015年9月25日、実際に潰されたんですよ、公式ページが。より厳密に言うと、ロシア連邦内からアクセスできないようブロックされたのだそうです。しかしながら、Deti-404はそれから1日もたたないうちに新たなページを作り直して活動を再開。そして、新ページでのいちばん最初のポストがとてもいいんです。

再びこんにちは。愛をこめて、プロジェクトチームより

И снова здравствуйте. С любовью, команда проекта

このポストのポイントは、上記の文面の後にクリックで再生できる音楽ファイルが添えられていること。曲目はグロリア・ゲイナーの"I Will Survive"。映画『プリシラ』でも使われたあの曲よ!

歌詞の意味からしても完璧なチョイスですね。ちなみにページ復活とともに登録人数も以前より増えたのだそうで、日本時間で2015年9月29日現在、アクティブメンバーの数は7万2千人以上。子供たちからのメッセージも着々とシェアされています。逞しいなあロシア人。見習わねば。

今のロシアのLGBTたちが置かれている状況って、全然対岸の火事なんかじゃないと思うんですよ。ひとたびお上がその気になれば、どんな国だってあっという間に『1984』や『V・フォー・ヴェンデッタ』の世界に向かって一直線ですからね。モスクワのゲイ・プライド・マーチで起こったような暴力的な逮捕や尋問だって、別に性的少数者の集まりじゃなくても、いつでもどこでも起こり得るものですし。こういうときに勝ち馬に乗らんとしていそいそとマイノリティーを殴る側に回るか、たとえ殴られても"I Will Survive"を心に抵抗し続ける側に回るかに、人間の生地が出るのだと思います。先人の知恵と勇気に学んでおかねば、と強く思っています。