石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

米メリーランド州でトランスジェンダー女性射殺さる

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2015年10月15日、米国メリーランド州のショッピングモールで、トランスジェンダー女性のZella Zionaさん(21)が射殺されました。

詳細は以下。

Transgender Woman Shot Dead In Maryland Shopping Center

Zionaさんは同州ゲイザースバーグにあるショッピングモール、「モントゴメリー・ビレッジ・プラザ」と「モントゴメリー・ビレッジ・クロッシング」の間にある小道で、午後5時50分ごろ上半身(NBCワシントンの報道では『頭部』となっています)を撃たれて亡くなりました。警察は彼女の人種を特定していませんが、Facebookのプロフィール写真をもとに、有色人種に見えるとしています。

以下WUSA9のレポーター、Mola Lenghi氏のTwitterより、事件現場とのZionaさんの写真をどうぞ。現場写真の隅に写っている風船は、おそらく、彼女の死を悼む友人たちが供えたものです。

同じくMola Lenghi氏のTwitterより。Zionさんは「祖母の命日、お墓に花を供えに行く途中に撃たれた」とあります。やりきれない。

警察はこの事件を通り魔的な(偶発的な)ものだとは考えていないとのことですが、目下のところ容疑者も動機も、そしてこれがヘイトクライムであるかどうかも特定していないそうです。

以下、NBC4より、Zionaさんの友人、バービー・ジョンスン(Barbie Johnson)さんの談話です。

「彼女はほんとうにすばらしい人でした」とバービー・ジョンスンは言った。「彼女のそばでは、誰ひとりしかめっ面になったりしませんでした」。

Zionaは自分の娘にとって2人目の母親のようなものだった、とジョンスンは言う。その子はずっと、「Zellaはどこ?」と聞き続けているのだそうだ。

"She was just amazing," Barbie Johnson said. "When Zella's around, there's not a single frown in the room." Ziona was like a second mother to Johnson's daughter, she said. The child keeps asking, "Where's Zella?"

LGBTQコミュニティーへの暴力の根絶に取り組んでいる団体、National Coalition of Anti-Violence Programs (NCAVP)によれば、米国で2014年に殺害されたトランスジェンダー女性は13人で、うち11人が黒人またはラテン系でした。2015年には現在までで21人のトランス女性が殺されており、うち18人が有色人種。ちなみに米国の2014年の国勢調査では、同国の人口の7割以上が白人("White alone")で、「黒人またはアフリカ系アメリカ人」は13.2%、「ヒスパニックまたはラテン系」は17.4%にすぎませんでした。つまり、有色人種のトランス女性がこんなにも命を奪われているのは、人口比から言っても明らかにおかしいんです。差別が人の命を軽くしてるんだよ。差別する側の「ただの侮蔑や嘲笑なら、つまり言葉だけなら差別したっていいじゃないか」みたいな屁理屈をあたしゃ絶対認めないぞ、そうやって呑気に被差別グループの命を軽くし続けた結果がこの数字なんだからな!!!!!