石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

チリでシビルユニオン法発効 カップルたちがワルツで祝う

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チリで2015年10月22日、シビルユニオン法が発効しました。これにより、同国の同性カップルは遺産相続、健康保険、医療上の同意、遺族年金などについて既婚カップルと同じ権利を国から認められることとなります。

詳細は以下。

Gay Couples Celebrate Chile's Civil Union Law

シビルユニオン登録一番乗りは、Virginia GómezさんとRoxana Ortizさん。

ふたりは11年間のつきあいで、これまでスペインで結婚していたのだそうです。以下、El Comercio Peruより引用。

「こんなに愛情深くわたしを迎えてくれた国の歴史的瞬間に立ち会えるということだけでなく、チリに来たときに失ったものをすべて取り戻せるということに、とてもわくわくしています」ゴメスはサンティアゴの役所で関係を登録したのち、記者団に語った。

"Estoy súper emocionada no solo porque estoy formando parte de un momento histórico de este país que me acogió con tanto cariño, sino porque vuelvo a recuperar de nuevo todo lo que perdí cuando llegué a Chile", explicó Gómez a los periodistas tras sellar el vínculo en el Registro Civil de Santiago.

AFPによると、Gómezさんたちが判事の前で誓いのことばを述べている間、他の同性カップルたちは市役所の外でワルツを踊ってシビルユニオン法制化を祝っていたとのこと。

なお、日本語の報道ではなぜかこのシビルユニオンが「同性婚」と訳されているものもあったようですが、これ、違いますからね。ラテンアメリカで現在同性婚が法的に認められているのは、アルゼンチン、ウルグアイ、ブラジルだけ。そして、同性カップルに結婚の権利を認めるべきか、それとも別枠で何らかのユニオン(結合)を認めるだけでいいのかというのは、目下世界中で議論されているデリケートな話題です。たとえば、先日のカトリック教会の世界家族会議では、"les unions de personnes homosexuelles"と"Dieu pour le mariage"を別物とする見解が示されていました。その一方で、シビルユニオンやパートナーシップ登録では結局法的な公平が改善されなかったという反省から、一旦こうした制度を導入した国々が次々同性婚を法制化しているという事実もあります。下手な和訳でごっちゃにして「シビルユニオンと同性婚は同じ」みたいな誤解を広めてほしくないです。

なお米ハフポストによれば、チリでは同性間の性行為は1999年まで違法とされていたとのこと。シビルユニオン法は10年以上の論議を経て2015年4月に可決され、制定の運びとなったとのだそうです。

以下、同性愛者の権利団体「Gay Liberation and Integration Movement」のRolando Jimenez会長のことば。

「わたしたちの戦いはシビルユニオンでは終わりません。わたしたちは同性婚を要求しているのです。議会で止まってしまっている法案の見直しを要求します」

"The civil union doesn't end our struggle. We're demanding same-sex marriage. We're going to request for the measures stuck in congress to be revived,"

AFPによると、チリのシビルユニオン制度は異性カップルでも利用可能なんだそうです。選択肢が増えて何よりですが、それなら同性カップルにも選択の自由を平等に保障すべきだと自分は思います。同性愛の合法化からわずか16年でここまで来たチリの次の動きに注目したいです。