石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

あるトランスジェンダー女性が年に100回母親にカミングアウトするわけ

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オーストラリアのトランスジェンダー女性、ティナ・ヒーリー(Tina Healy)さんは、母親に対して年に約100回もカミングアウトし続けています。さて、なぜでしょう。

詳細は以下。

Meet the family who lost their father but gained so much more - 28/10/2015

最初にタネ明かししてしまうと、ヒーリーさんのお母さんは認知症なんです。だから、何回カミングアウトしても、次に会うときには全部忘れてしまっていて、また一から説明せざるを得ないわけ。すばらしいのは、何度忘れてしまっても、お母さんは毎回心からの愛と受容を示してくれるということ。最初にカミングアウトしたときのことを、ヒーリーさんはこう振り返っています。

母は認知症で、家族の多くがわたしがカミングアウトしたらどうなることか、ストレスが大きすぎて母の手に余るのではないかと心配していました。それでもともかく、とうとう母にカミングアウトしたんですよ、ある朝早く。母は耳を傾けてくれ、わたしはとてもシンプルに説明しました。すると母は、最後にこう言ったんです。「驚いたわ」って。「すばらしい娘が新たにできたわ」。それから、「ここにおいで」と言ってくれました。わたしは母の肩に顔をうずめて泣き、テス(訳注:ヒーリーさんの元パートナー)も泣き、何もかも最高でした……

My Mum has dementia and quite a few of my family were concerned about what would happen if I came out to Mum, whether she might be too stressed to handle it. And anyway, so when I eventually came out to Mum, I did it early in the morning and she listened. I kept it very simple. And she said - at the end of it, she said, "Well," she said, "What do you know?" She said, "I've got a beautiful new daughter." And she said, "Come here, love." And I cried on her shoulder and Tess cried too and it was all wonderful. ...

これが3年半前のこと。以来何度カミングアウトしても、お母さんはほぼ一語もたがわず同じリアクションを示してくれるのだそうです。

なんてすばらしい家族だ。

そう思って元記事をさらに読んでみると、ヒーリーさんのカミングアウトにインスパイアされた娘さんが「家族の多様性をテーマとする児童書を書いた」と説明されているのを発見。娘さんの名前は、ジェシカ・ウォルトン(Jessica Walton)さん。わかった! この記事で紹介したテディベアの絵本の人だ!

オーストラリア放送協会(ABC)によるこの一家のドキュメンタリー映像では、ヒーリーさんが孫のエロールくんにこの絵本を読んであげるところも映し出されています。思うに「多様性」っていうのは、そのへんのご家庭でこういう風景があたりまえに見られることだよね。いいもん見させてもらいました。最初にBuzzFeedでこのご家族に付いて報じた記事を見かけたとき、見出しの「何度も繰り返しカムアウト("Repeatedly Come Out")」という表現から「よっぽど分からず屋のママなのかしら」と反射的に思ってしまった自分の心の汚れが恥ずかしいです。実際にはこれは「分からず屋」とはほど遠い、スウィートな親子4世代にわたるファミリー・サーガだったんでした。