石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

ライフネット生命、同性パートナーを死亡保険金受取人として指定可能に

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Insurance / GotCredit

ライフネット生命保険が2015年11月4日、死亡保険金の受け取り範囲を拡大し、同性パートナーを受取人として指定可能とする取り扱いを開始しました。

詳細は以下。

「世の中が変わる一歩になれば」 同性パートナーを保険金受取人に認めたライフネット生命が会見

以下、上記リンク先より引用。

ライフネット生命保険では、これまでも異性同士の「事実婚」のパートナーは、受取人に指定できていた。岩瀬社長は「事実婚の場合と手続き的にはほとんど変わりはない。異性で認めていたものを、同性にも拡大するということ」と話した。全国的な取り組みのため、保険の手続きには渋谷区と世田谷区が発行する証明書は不要。同居していることを示す住民票と、独自に用意した確認書への署名が必要となる。

この、「独自に用意した確認書」はpdfで公開されています。以下で見ることができます。

これまで同性パートナーを受取人にできる生命保険が日本に存在しなかったわけではありません。大々的には宣伝していなくても、個別に相談すれば実は可能というケースもごくごく少数あり、各保険会社に問い合わせた結果をまとめたリストがネットなどで発表されたこともあったはず。しかし、ニュースリリースでこうまではっきりと告知し、さらに特設ページまで設けた会社というのは、おそらくライフネット生命が初めてなのでは?

2015年11月現在の他の保険会社の動向については、第19話 生命保険――同性カップル排除の「象徴」が動いた : 虹色百話~性的マイノリティーへの招待 : yomiDr./ヨミドクター(読売新聞)の説明がわかりやすかったです。以下、引用。

  • 日本生命は、渋谷区のパートナーシップ証明書があれば受取人として認める予定。
  • アスモ少額短期保険は、渋谷区や世田谷区の証明書などの写しがあれば、受取人として認める。

郵便局で扱うかんぽ生命(もとの簡易生命保険)には2親等規定がなく、じつは以前から同性パートナーを受取人に指定できました。

というわけで、現在同性カップルが生命保険に加入するなら、ライフネット生命、日本生命、アスモ少額短期保険、かんぽ生命の計4種の選択肢があるということになるみたい。これで万全というわけではない(とくに日本生命、公正証書取得だけで何万円もかかる渋谷区の証明書がないと受取人にできないって、『貧乏人は来るな』ってこと?)けれど、少なくとも状況が変化しつつあるのは確かかと。

そうそう、やや話はそれるんですが、このニュースを報じた日経アジアレビューの英文記事に面白い情報が載ってました。

日本の若い世代はますます同性愛者の権利を支持するようになってきている。米国のシンクタンク、ピュー・リサーチ・センターによれば、2013年の時点で、18歳から29歳の日本人の83%が同性愛は受け入れられるべきだとしている。この数字は、英国(79%)、米国(70%)、中国(32%)、韓国(71%)より高い。

Japan's younger generation is increasingly supportive of gay rights. According to U.S. think-tank Pew Research Center, 83% of Japanese aged between 18 and 29 said "homosexuality should be accepted" in 2013. The figure was higher than the 79% in the U.K., 70% in the U.S., 32% in China and 71% in South Korea.

そんなわけで、現時点ではまだゲイ・ライツが十全に保証されているとは言えないにしても、未来はそう悲観したものでもないのかもしれません。ネット上では最近、今回のライフネット生命の発表や渋谷区でのパートナーシップ制度に触発されでもしたのか、「同性カップルは許容できるか否か」なんていう傲慢きわまりない(なぜああまで無邪気に、他人の恋愛や性に関する許認可権が自分たちにあると思い込めるんでしょうね?)議論をおっぱじめた人なんてのも見かけましたが、たぶんそれ、消えゆく恐竜のような旧世代だと思うんです。変化についていけない恐竜たちは捨て置いて、若者は未来を見ようぜ。できることはまだ山ほどあるよ、きっと。