石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

インド放送苦情処理委員会、『グレイズ・アナトミー』のレズビアン要素を問題視

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インドの放送苦情処理委員会が、同国で放映された米ドラマ『グレイズ・アナトミー』の女性同士のセックスに関わる場面を問題視し、「削除されるべきであった」と発表しました。どんなエロエロなレズビアン描写かと思いきや、全然そうでもないんですよこれが。

詳細は以下。

India TV channel censured for airing Grey's Anatomy scene about lesbian sex - Gay Star News

『グレイズ・アナトミー』は米ABC系列のTVドラマで、シアトルの大病院を舞台とする群像劇です。現在本国ではシーズン11まで放映されています。メインキャラにバイセクシュアル女性やレズビアンがいるため、ドラマ内では女性同士の恋愛もよく描かれます。

インドの放送苦情処理委員会(Broadcasting Content Complaints Council, BCCC)は、同国のTV局「スター・ワールド」(Star World)が2015年6月に放映したシーズン5エピソード5のある場面を問題視。このシーンは「ホモセクシュアルの出会い」を描くもので、「女性への中傷」であるとし、放映時に削除するべきだったとする通知を発表しました。

でもこのシーン、画面には男女しか出て来ないんですよ。性的な行為の暗喩も、男女間のものだけ。具体的にはこれ、「バイセクシュアル女医のカリー・トーレス(サラ・ラミレス)がガールフレンドとのセックスのことで悩み、女たらしの男性外科医マーク・スローン(エリック・デイン)に技巧上のアドバイスを求める」という場面であって、女性同士の性的関係はふたりの会話の中にしか登場しないんです。

動画で見るとこんな。

一体これのどこが「ホモセクシュアルの出会い」だよと。この程度で問題視するなら、病院中に元カノがいるモテモテレズビアン女医アリゾナ・ロビンス(ジェシカ・キャプショー)なんて、存在自体を墨塗り検閲されなきゃいけないわよっ。ていうか、同性愛要素が嫌なら『グレイズ・アナトミー』を、ひいてはションダ・ライムズのドラマ自体を放映すんなよ最初から!

ひょっとしたら、問題視されたのはマークとカリーのオーラルセックスの暗喩の方で、「ホモセクシュアルの出会い」云々は付け足しだった可能性もあるとは思うんですけどね。しかしたとえ付け足しだとしても、そこに「女同士は出会っちゃいかん」という含意があることには間違いないわけで、やっぱり腹が立ちます。ションダは以前、自分の手がけたドラマについて「『同性愛の』シーンなんてない、人間のシーンがあるだけ」と言ってましたが、この程度の表現に文句を言う人にとっては、同性愛者や両性愛者はいまだ「人間」としてカウントされない存在なのかも。あー、やだやだ。