石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

『X-Men』アイスマンがゲイに。シリーズ創始者スタン・リーの反応は?

Uncanny X-Men (2013-) #600

アメコミ『X-Men』のキャラ、アイスマンがゲイとしてカミングアウトしました。『X-Men』シリーズ創始者のスタン・リー(92)はこのことについて、「良い物語である限り、何が起ころうとかまわない」と話しています。

詳細は以下。

Listen to the moment that Stan Lee found out Iceman is gay - Gay Star News

『X-Men』はマーベル・コミック刊行の人気シリーズ。1963年から連載開始され、何度か映画化もされています。主要キャラクターのアイスマンことボビー・ドレイクは、空気中の水分を氷に変える力を持つミュータントのスーパーヒーロー。2015年4月、『All-New X-Men』第40号で、そのアイスマンが実はゲイだったということが明かされました。

『All-New X-Men』は過去のオリジナルX-MENたちが現代に連れて来られて戦うという物語で、若き日のボビーのセクシュアリティの話が出てきます。以下、シネマトゥデイより引用。

きょとんとしているボビーに対し、ジーンは「ボビー、あなたはゲイなのよ」と告げるのだ。ボビーは否定し、未来の自分がゲイではないんだから、過去の自分がゲイのはずがないと反論。その後、バイセクシャルなのかもしれないと言うボビーに、「完璧なゲイだと思う」とジーンはきっぱりと言うと、ボビーも「そう……なんだよな」とようやく納得したようだ。

さて、ここで残る疑問は、「未来の自分がゲイではない」(とされている)こととの整合性はどうするのかということです。その答えは、2015年10月に発売された『Uncanny X-Men』第600号で明かされました。若いボビーから「なぜ(性的指向を)隠すのかわからない」「きみは今後も自由にすればいいが、ぼくは自分のやり方で生きる」と言われた年上のボビーが氷の涙を流し、自分がゲイであることを認める場面があるんです。

会話部分の絵柄はこんな感じ。左側が現代の、右側が若き日のアイスマン(ボビー)。

コミック原作者で『X-Men』シリーズの産みの親、スタン・リー(92)は、アイスマンがゲイとして描写されていることをどう思うかとBBC ラジオ4で聞かれ(※アメリカン・コミックは複数のアーティストによって書き継がれるものであり、スタン・リーは現在『X-Men』の原作を担当していません)、こんな風に話しています。

「それは気づいていませんでした。本当に、今あなたに教えてもらったんですよ――アイスマンがゲイだと聞いたのは初めてです。アイスマンは本当にゲイなんですか?」

‘I wasn’t aware of it. In fact, you telling me that – this is the first time I had heard that Iceman is gay. Is Iceman really gay?’

「アイスマンがゲイだと初めて知りましたよ。うわー、知らなかった」

彼は付け加えた。「いい物語を作ってくれる限り、何が起ころうとかまいませんよ。そして、彼らは本当にそうしてくれてるんです」

‘This is the first time I learned that Iceman is gay. Wow, I never knew that.’

He added: ‘I don’t care what happens as long as they tell good stories. And they do.’

というわけで、BL・やおい二次創作等に関してよく聞かれる「キャラを『ホモ』にされたら誰でも不快になるのが当たり前です!!!!」とかなんとかいう意見は、必ずしも当たっていないみたいですね。え、「そんなのはスタン・リーが特殊なだけ」? それじゃ、前述のシネマトゥデイからこちらの部分も引用しておきましょうか。

映画『X-MEN』シリーズでアイスマンを演じているショーン・アシュモアは、カミングアウトを聞き「おめでとう ボビー!」と祝福のツイートをしている。

既存のキャラクタを同性愛者として描いたところで、「『誰でも』不快になる」なんてことはないんです。「いい物語を作ってくれる限り、何が起ころうとかまわない」と思っている人は確実にいるんです、原作者や役者さんの中にさえね!!