石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

異性愛者が性的指向を変える「治療」を体験。さて、感想は?

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BuzzFeedが、性的指向を変えるという触れ込みのいんちき療法と同内容の「治療」を異性愛者に体験してもらい、リアクションを録画しました。異常と言われて水をぶっかけられた彼らの性的指向の行方はいかに?(いや、わかってるけど)

動画はこちら。

これは同性愛者が実際に受けさせられている「転換療法」(コンバージョン・セラピー)の中身を異性愛者向けに再構成したもの。動画内ではまず、「セラピスト」が大真面目に異性愛は精神の病気であり、子供時代のトラウマが原因だと語ります。「クライアント」が「自分は昔から異性が好きだった」と主張しても、「そんなことは無意味だ」とはねつけられてしまいます。

「セラピスト」は次に、嫌悪療法に着手。これは魅力的な異性のセミヌード写真を見せた後、いきなりスプレーで水をかけるというもので、目的は異性を見たときネガティブな感情を抱くようにさせること。

動画では水スプレー程度で済んでますけど、同性愛者の場合、ここで記憶が吹っ飛ぶぐらい強い電気ショックをかけられたりしてるんですからね。シャレにならんのですよまったく。

次に待っているのは行動療法。「同性が好きになれなくても、まずそれっぽい行動をすれば、感情は後からついてくる」という理屈で、女性には「猫を飼う」、「フランネルのシャツを着る」など、レズビアンのステレオタイプ通りの生活をするよう指導されています。男性に対しては、男友達を家に招いたり、レスリングをやってみたりすることが提案されています。

すんごくアホらしいんですが、これも同性愛者がこの手のセラピーでやらされることのひとつ。ナターシャ・リオンの映画『Go!Go!チアーズ』でさんざんギャグにされてたでしょ、あれですよあれ。現実はフィクションよりさらにひどく、女性相手に勃起するようにとバイアグラを飲まされたゲイ男性さえいます。それでも性的指向は変わらなかったそうですが。

この動画の異性愛者たちも、もちろん誰ひとりとして同性愛者に変わったりしませんでした。異性愛者の「クライアント」たちの感想は以下。

もし誰かに、おまえがストレートなのはおそらく子供の頃に性的虐待を受けたせいだと言われたりしたら、すごく腹が立つと思う。

I would be pretty offended if someone were to say, "You are just straight, because you probably got molested when you were a kid."

ゲイがみんなトラウマに満ちた子供時代を持っていると決めつけるなんてむちゃくちゃだ。

I think it's a little fxxked up to just assume that everyone who is gay had like a traumatic childhood.

これが本当に効くとは思えない。だから、やるべきではないと思う。おそらく害の方が多いと思う。

I don't think it really works. I don't think people should do it. It's probably just more harmful.

全米保険機構(PAHO)はこのような治療は医学的な根拠に欠け、健康を脅かすものだと主張しています。現在米国ではイリノイ州など数州がこうした治療を違法としており、2015年5月に下院に提出された「セラピー的詐防止法」(Therapeutic Fraud Prevention Act)が通れば、性的指向や性自認を変えるとするセラピーは全米で禁止される可能性があります。