石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

ゲイ・ファミリーの息子が撮った、お父さんズの結婚ビデオ

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Towleroadで紹介されている、あるゲイ・ファミリーのお父さんたちのウエディング動画がビューティフルです。お父さんたちはこれまで26年間も連れ添ってきたのだそうで、動画のナレーションはもう大人になった息子さんが担当しています。

動画はこちら。

この動画はまず、一家の現在と過去の家族写真から始まります。ナレーションを訳すと、こんな。

こちらはぼくの父さん、そしてこちらはリッキー。父さんとリッキーは26年連れ添っていて、リッキーはぼくの記憶にある限り昔からぼくたちの人生の一部だった。総じて言うなら、だれもが父さんたちの生き方に賛成するというわけではないし、彼らの関係を無視さえする人もいるだろう。でも2015年6月26日、世界は前よりよくなって、彼らの前に立ちはだかるものはなくなった。

さあ、そろそろこうしてもいい頃だ。

This is my dad and this is Ricky. Dad and Ricky have been together for 26 years and Ricky has been a part of our lives since I can remember. Throughout all it's safe to say that not everyone has agreed with their lifestyle or even ignore their relationsip. But on June 26 2015, the world became a better place and there was nothing else that could stand in their way.

Well, it's about time.

映像を見れば一目瞭然ですが、「世界は前よりよくなっ」たというのは、米連邦最高裁が全州での同性婚を認める判決を出したということ。「そろそろこうしても」というのは、お父さんとリッキーさんが結婚してもいい頃だという意味です。

ここから動画は、お父さんとリッキーさんが結婚した2015年10月24日のこの一家の様子を映し出していきます。季節柄、画面には紅葉やかぼちゃなど秋の風物もいっぱい。お父さんたちは家の庭で結婚の宣誓をして抱き合い、シャンパンを開けて、家族たちとハイファイブします。まだ赤ちゃんの孫たちともハイファイブ。そうそう、彼らには息子や娘のほか、孫もいるんですよ。巷にはびこる「同性愛者は子孫を残せない」説をうっかり信じてしまっている方々は驚かれるかもしれませんが、これが現実。いいかげんに慣れて。

さて、お父さんズの結婚の日を楽しむ家族たちの映像にかぶせて、ここからまたナレーションが入ります。

さて、ここで質問。ふたりの人が愛し合っているとき、他に本当に重要なことってある? ないよね。だって、どんな人でも平等と家族を得るに値するんだから。そしてもっとも重要なことに、愛を得るに値するんだから。

So, here's my question to you. When two people love each other, does anything else really matter? Not really. You see, everyone deserves equality, family, and most importantly, love.

うむ。その通り。

こういう立場の人が、お父さんたちが結婚できたことをこれほど喜んでいる一方、なぜだか同性愛者には子供がいないことにして「同性婚など認めん」と主張する人が絶えない理由がよくわかりません。生身の人間の存在を無視して、手前勝手な想像だけで制度設計すんなよと。このエントリで動画内のナレーションをいちいち日本語に訳したのは、英語のままだと「えいごだからわかりません」「かいがいのことなんてしりません」と都合よく否認し続ける人も多かろうと思ったからです。それを抜きにしても、美しいビデオだからなるべくたくさんの人に見てもらいたかったってこともあるんですけどね。

そうそう、この動画のYouTubeの説明文がまた茶目っ気が効いてて楽しかったので、こちらも訳しておきます。

まさかと思うでしょうが、ふたりの男性が結婚しても、世界は終わったりしませんでした。すばらしい1日でしたよ。

Believe it or not, two men got married, and the world didn't end. It was an amazing day.