石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

映画俳優ハリー・クックが米国で結婚 同性婚認めぬ豪政府を批判

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英国生まれで豪シドニー在住の俳優ハリー・クック(Harry Cook)が、2015年11月11日、米国で男性パートナーと結婚。国民の7割以上が結婚の平等を望んでいるのに同性婚を認めない豪政府を「基本的人権を無視している」と批判しました。

詳細は以下。

My wedding day was the happiest of my life. Why did it have to be outside Australia? | Harry Cook | Australia news | The Guardian

ハリー・クックは2013年に同性愛者としてカミングアウトし、2015年9月にボーイフレンドのリアム・デイヴィス(Liam Davis)さんとの結婚の予定を発表していました。結婚式はカリフォルニア州カーメルの浜辺でとりおこなわれ、愛犬ポピーさんも証人役で参加したとのこと。

当日の模様はこちら。

以下、本人の手記です。

浜辺に立って夫の目をじっと見ながら、何もかも、なんて信じられないのだろうと思いました。わたしたちは向かい合って立ち、互いに一生の誓いをかわしました。どんなに愛し合っていて、お互いのことがどんなに大事であるかを語りました。

泣いて、笑って、ハグして、キスしました。わたしたちは公の関係になったのです。結婚したのです。

While standing on the beach and looking into my husband’s eyes, I realised just how incredible it all was. We stood in front of each other and committed ourselves to one another for the rest of our lives. We told each other how much we loved each other and how much we meant to each other.

We cried and laughed and hugged and kissed. We made it official. We got married.

そんなわけで「人生最高の日」だったというこの日にも、ひとつだけ問題がありました。それは、結婚するために、わざわざ「故郷シドニーから何千マイルも離れなければならなかった」ということ。

オーストラリアの連邦政府は、同性婚を認めていません。2013年に9月にニューサウスウェールズ州のオーストラリア首都特別地域(Australian Capital Territory)で同性婚法が可決されたこともあったんですが、同年12月の最高裁判決で「連邦の結婚法と矛盾する」と判断され、無効とされてしまっています

同国のマルコム・ターンブル(Malcolm Turnbull)首相は次の連邦選挙の後、つまり2017年以降に同性婚に対する意見を問う国民投票を実施すると言っています。しかしながら、ハリー・クックは、国民投票は「何百万ドルもの税金の無駄遣い」だと主張し、以下のように述べています。

オーストラリア人の72パーセントが結婚の平等を求めています。この9年間に実施されたあらゆる科学的な統計は、過半数が平等を支持していると示し続けています。

それなのに、どうして政府は聴く耳を持たないのでしょうか?

Seventy-two per cent of Australians want marriage equality. Every scientific poll conducted in the last nine years has shown majority support for equality. Yet why is the government not listening?

ちょっと調べてみたのですが、この72パーセントというのは2014年の「クロスビー・テクスター」世論調査の結果ですね。調査結果を読み込んでいくと、なかなかすごいんだこれが。以下、Record support for same-sex marriage - News - The C|T Groupから訳して引用します。

  • カトリック、英国国教会、非キリスト教の宗教を含む主な宗教の信者の過半数が、結婚の平等を支持した。
  • 高齢(55歳以上)のオーストラリア人の過半数が、結婚の平等を支持した。
  • ウエスタン・シドニーやクイーンズランド州地域を含め、オーストラリア全土のあらゆる州と地域で、過半数が結婚の平等を支持した。
  • 既に結婚している人(異性愛者)の過半数が、結婚の平等を支持した。
  • 子供がいる人の過半数が、結婚の平等を支持した。
  • A majority of those identifying with major religions supported marriage equality, including Catholics, Anglicans and non-Christian religions.
  • A majority of older Australians (aged 55 years or over) supported marriage equality.
  • A majority in all states and regions across Australia including Western Sydney and regional Queensland.
  • A majority of (heterosexual) people already in a marriage supported marriage equality. 
  • A majority of people with children supported marriage equality.

ハリー・クックの言う通り、この状態でわざわざ2017年まで待って、しかも何百万ドルもかけて国民投票をする必要がどこにあるのかさっぱりわかりません。少し調べたところ、現政権が予定している国民投票(プレビシット)はレファレンダムとは違って政府に対する拘束力がないため、実施されても政治的膠着状態は打破されないという指摘があるようなんですが、ひょっとしたらこれを狙っているのか……?

ちなみに同国上院は2015年11月15日、国民投票に反対し、議会での自由投票を求める動議を可決したばかりです。下院でも同じ動きが出てくるといいんだけどねえ。

さて、堅い話が続いたので、最後におまけを。ハリー・クックの結婚式の証人にしてイングリッシュ・ブルドッグのポピーさんの笑顔です。