石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

Aジェンダーの中性的モデル、レイン・ダヴが、おもしろいことやってます

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中性的モデルのレイン・ダヴ(Rain Dove)がヴィクトリアズ・シークレットの下着を身にまとい、美とジェンダーに関する固定観念をゆるがす写真を撮りました。

詳細は以下。

Androdgynous Model Rain Dove Recreates Victoria's Secret Ads To Challenge Beauty Standards

まずは一組ご覧あれ。

ハフポスト・カナダによればレイン・ダヴは、「しばしば男性やトランスジェンダー女性に間違われる、中性的な女性」。本人はdapperQでのインタビューで、自分は「Aジェンダーのモデル」であり、「男性として、女性として、その間のあらゆるものとして」モデルをすると語っています。上の写真は、ヴィクトリアズ・シークレットの下着を身につけたダヴの写真と、その写真の顔の部分だけヴィクトリアズ・シークレットの女性モデルの顔写真と置き換えたもの。予備知識なしでいきなり見ると、首から上の印象だけで体型やジェンダーまで相当違って見えてしまいませんか?

ハフポスト・カナダでは上記の他3組の比較写真が掲載されていて、どれも非常に面白いです。つくづく「人間は見たいものしか見ないし、ジェンダーとは耳と耳の間(つまり、脳)にあるものなのだ」と思い知らされました。顔の部分を置き換える前の写真アソートがレイン・ダヴのInstagramにあったので、そちらも紹介しておきます。

これらがどのように変貌するのかは、元記事で見てくださいね。

このような写真を撮った理由を、ダヴはPeopleでこんな風に説明しています。

「ヴィクトリアズ・シークレットがこれを容認できると言う決定的瞬間まで待ったりしないぞと決めたんです」と彼女は言う。「写真を撮ろう、そうして人に、わたしはこうすることを恐れないし、みんなも恐れるべきではないと示そうと考えました。人は自分の身体を恥ずかしがるべきではありません」

"I decided I'm not going to wait for the big moment when Victoria's Secret would say this is acceptable," she says. "I figured I would just do a photo shoot, and show people that I'm not afraid to do this, and they shouldn't be either. They shouldn't be ashamed of their bodies."

かっこいい……かっこいいっすよダヴ先輩!!

ちなみにデイリー・メールによれば、この顔写真の女性モデルは身長188cm、スリーサイズは日本風に言うとB81W66H86の「砂時計体型」。ダヴの作品は、こうした体型のモデルだけを美しいととらえているヴィクトリアズ・シークレットへの批判になってるわけです。

体型と言えば、今年の初夏、「非現実的な」ウエストのモデル写真に「ビーチの身体の準備はできてる?」(意訳:『痩せないとビーチに行けませんよ。さあうちの会社のダイエット商品を買いなさい』)というコピーを添えたダイエット広告がロンドンで猛反発を呼び、" #everybodysready"(意訳:『どんな身体だって準備できとるわボケ』)というキャンペーンが巻き起こったのは記憶に新しいところ。今回のレイン・ダヴの写真にも、このキャンペーンと共通するものがあるんじゃないかと思いました。人を鋳型に押し込めようとする「美」のスタンダードなんて、揺さぶってひっくり返しちゃえばいいのよ。その鋳型は、冗談抜きで人を殺してるんだから。