石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

オーストラリアのゲイ・キスCM、2015年苦情トップ10の7位に

Hair
Hair / Photographing Travis

オーストラリアのヘアジェルのCMが、男性同士のキスシーンがあるという理由で、2015年に同国でもっとも多くの苦情を受けたCMトップ10の7位に食い込みました。でもこのキスシーン、1秒ぐらいなんですけど……?

詳細は以下。

Australia: Top 10 most complained about TV ads in 2015 include Rebel Wilson and a gay kiss

動画はこちら。

これはユニリーバ・オーストラリアのヘアジェル「Lynx」のCMで、内容は「このヘアジェルがあれば、すばらしいことがいろいろできるよ! いろんなことにチャレンジし、一目置かれるカッコイイ男になろう」てな感じ。基本的にコミカル路線で、日本ネタのギャグも出てきます。

モノクロ画面のところ(0:31)で、1秒ぐらい男同士のキスが出てくるでしょう? それが気に入らない人たちから、このCMは「広告を使って家庭にゲイのアジェンダを押し付けようとしている」ものだとする苦情が全部で62件来たのだそうです。

ある苦情主は述べた。「男性キャラクターが他の男性キャラクターにキスするヘアケア用品の広告を見せつけられて、あやうく寝椅子から転げ落ちそうになりました! オーストラリアは確かに自由の国ですが、私にはこの広告は、ゲイの少数派が(正常な)マジョリティーに頭ごなしの押し付けをしているように見えます」

One complainant said: "Being confronted by a hair product ad that had a male character kiss another male character – I nearly fell off the lounge! Yes, Australia is a free country, but this ad seems to me to show the gay minority dictating terms to the (normal) majority!!"

たった1秒間の同性同士のキスが「頭ごなしの押し付け」だと主張する一方で CM内でもっとふんだんに描かれている異性愛表現(冒頭に出てくる男女カップル一家の描写、主人公男性が女性の肩を抱いて空を飛ぶアニメシーン、そして主人公と女性とのキスシーンを合計したら1秒どころの騒ぎじゃ済みませんよ)は「押し付け」ではないと思っているこの鈍感さよ。好きなだけ寝椅子から転げ落ちてればいいのに。

なお、このランキングはオーストラリア広告基準局(Advertising Standards Bureau)に寄せられた苦情の数から作成されたもので、1位は小さな子供に罵り言葉("bloody")を使わせた車のCM(苦情数161件)だったとのこと。10位は、ビキニの女性に盆栽を刈り込ませることでアンダーヘアの手入れを暗示した、女性向け電気カミソリのCM(同53件)。上記のヘアジェルCMへの苦情は、「却下された」とのことです。