石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

「同性愛は嫌悪すべきもの」と発言した仏政治家に罰金約66万円

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2015年12月17日、仏キリスト教民主党(Parti chrétien-démocrate)の元党首クリスティーヌ・ブタン(Christine Boutin)氏が、「LGBTIの人びとに対する憎悪と暴力を扇動した」として裁判所から5000ユーロの罰金を言い渡されました。氏は控訴の意向を表明しています。

詳細は以下。

France politician fined €5,000 for saying 'homosexuality is an abomination' - Gay Star News

ブタン氏は2014年4月、雑誌「Charles 」のインタビューで次のように述べていたとのこと。

「同性愛は嫌悪すべきものです。しかし、同性愛者は違います。

「同性愛の罪は絶対に容認できませんが、罪人はつねに赦されます」

‘Homosexuality is an abomination. But not the person. ‘The sin is never acceptable, but the sinner is always forgiven.’

パリの裁判所はこれを憎悪と暴力の公的扇動とみなし、同氏に対し罰金5000ユーロ(約66万円)と、LGBTI団体「Mousse」と「Le Refuge」へのそれぞれ2000ユーロ(約26万円)の損害賠償の支払いを命じたとのこと。

ブタン氏は反中絶、反ポルノ、反同性愛をかかげる政治家。『〈同性愛嫌悪(ホモフォビア)〉を知る事典』(ルイ・ジョルジュ=タン編、明石書店)p. 433によれば、フランスでのパックス("PACS"。性別を問わないカップル契約で、結婚に似た財産的利益などが得られる制度)導入にあたり「最も有名で、最も暴力的でもあった反パックス・デモ」(1998年1月31日)を開催したり、国民議会で聖書を振り回して演説したりしていた人だそうです。以下、同書p. 466より引用。

クリスティーヌ・ブタンは、パックス審議の際に国民議会のただ中で聖書をかざした、末代まで名を残すであろう人物で、フランスにおいて同性カップルの法的証人を頓挫させようと最も固く決心した人の一人であった。ある日、フランス民主連合(UDF)会派の名において発言した彼女は、法案に反対して五時間ぶっ続けで壇上を独占した。「同性愛とは、性別の異なる他者に到達する能力のないこと以外の何物でもない。そして、差異を受け入れられないことが、排除以外の何であろうか」。「同性愛を普通のライフスタイルとして承認し正当化した文明はすべて衰退を経験した」とも予告した。

これが17年前。その後パックスどころか同性婚まで法制化されたというのに、まだ熱心に同性愛嫌悪をふりまいてたんですね、この人。

なお、前述のLGBTI団体「Mousse」のEtienne Deshoulières弁護士は、今回の判決について次のように述べているとのことです。

もはや、宗教的談話という名目で同性愛嫌悪的な発言に対する法的責任から逃れることはできません。

It is no longer possible to escape criminal liability for homophobic remarks under the guise of religious discourse,’

ブタン氏は18日、Twitterで控訴の意向を表明しています。たとえ控訴審で5時間聖書を振り回したところで、勝ち目はないと思うんだけどねえ。