石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

ロシアがカミングアウト禁止法案を却下

The State Duma of Russia
The State Duma of Russia / Bernt Rostad

ロシア下院(国家会議)憲法・国家建設委員会が2016年1月18日、同性愛者のカミングアウトを違法化する法案を却下しました。

詳細は以下。

Russia's Duma rejects bill banning gays from coming out - Gay Star News

この法案は2015年10月に共産党のIvan Nikitchuk議員らが起草したもので、「伝統的でない性的関係を公の場で表現する」行為に対し、最大で15日の懲役刑と5000ルーブル(約7500円)の罰金を科すとされていました。もう少しわかりやすく言うと、同性同士で人前で手をつないだりキスをしたり、あるいは同性愛者としてカミングアウトしたりする行為を違法化するってことです。

Radio Free Europe/Radio Libertyによれば、Nikitchuk議員が同性愛は「感染性の病気」で「社会に対する脅威」だと説明するのを聞いて、他の国会議員たちは忍び笑いをもらしていたとのこと。結局、憲法・国家建設委員会はこの法案を却下しました。同国サンクトペテルブルクのLGBT団体「Coming Out」のPolina Andrianovaさんは、今回の法案を「信じられないぐらいばかげた」ものであると言っていたのですが、委員会にもこの法案のばかばかしさがわかったのかも?

ロシアというと2013年に施行された「同性愛宣伝禁止法」があまりに有名ですが、最近はモスクワの裁判所がiPhoneの同性カップルの絵文字を違法ではないと判断したり、映画『キャロル』の公開が決まったり、有名なTV司会者が同性愛宣伝禁止法に反対したりと、反同性愛一色ではない動きもいろいろ見られます。LGBTユース支援サイトもがんばってます。上記ニュースを読みながら、以前うちのブログでも紹介した、サンクトペテルブルクのLGBT映画祭オーガナイザーGulya Sultanova さんによるこちらの発言をあたしはしきりに思い出していました。

「わたしたちは自分たちのしていることの成果を目にしています。観客は(前より増えて)いますし、街の中ではLGBTのコミュニティーが以前より強まり、人びとの不安は減ってきています。興味も見て取れます。今では、一般の人たちが偏見なく学ぼうとしてわたしたちにアプローチすることが増えてきています」とSultanovaは言う。

「この国の状況は、わたしたちが活発なLGBTコミュニティを持たない限り変わりません。そしてわたしたちは、それに成功しつつあるのです」

“We see the positive results of our work. We have [a larger] audience, the LGBT community is getting stronger in the city, we see that people are less afraid, we see interest, the general public is now more often approaching us with an open mind, ready to learn,” says Sultanova.

“This situation in our country won’t change unless we have an active LGBT community. And we are getting there.”

「ロシア=ホモフォビック」みたいな画一的な決めつけはいかんよね、やっぱり。