石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

レズビアンに子宮頸がん検診は不要? いいえ、それは「都市伝説」(豪研究)

Cancer Institute of Columbia.
Cancer Institute of Columbia. / PAHO/WHO

豪シドニー大学の研究で、「レズビアンは男性とセックスしないから子宮頸がん検診は必要ない」という都市伝説がレズビアンの健康リスクを高めている可能性があると指摘されました。

詳細は以下。

'Urban myth' that lesbian women don't need pap smears is a health risk – study | Society | The Guardian

この研究では、2010年から2012年の間にシドニーのLGBTQの祭典「ゲイ・アンド・レズビアン・マルディ・グラ」に参加した17歳から30歳の女性計379名に対し、健康状態、性的アイデンティティ、性的関係、性行為、喫煙、飲酒、違法薬物の使用などについて質問されました。結果として、クィア女性、レズビアン女性、バイセクシュアル女性の間に以下のような違いがあることがわかりました。

  • クィアな女性は、違法薬物を使ったり、性行為を強制されたり、反LGBTQな差別に遭ったりする率が最も高い反面、3つのグループの中でもっとも積極的に健康対策をしていた
  • 性行為感染症の検査を一度でも受けたことがあるバイセクシュアル女性は53.8%。レズビアンは52.9%で、3つのグループの中でもっとも低い
  • 子宮頸がん検診を受けたことがある人は、クィア女性で79.4%、バイセクシュアル女性で70.8%、レズビアンで65.2%

これの何がまずいかというと、まず、子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルスは、男女の性交渉のみならず、女性器同士の接触や、セックストーイの共有などで移る可能性もあるということ。さらに、この調査に参加したレズビアンの60%が男性とのセックス経験があったため、その意味でも検査を受けないのは危険だということ。この論文の著者のひとり、ジュリー・ムーニー=ソマーズ(Julie Mooney-Somers)博士は以下のように述べています。

「男性とセックスしない女性には子宮頸がん検査は必要ないということが、ちょっとした都市伝説になってしまっています。これは、この分野での仕事で本当にいらいらしてしまうことのひとつです」

“It’s become a bit of an urban myth that women who don’t have sex with men don’t need pap smears, and this is one of the real frustrations about working in this area,”

「レズビアンの女性はまた、通常は避妊の手段が必要ないため、機を見てかかりつけ医と検査について話し合う機会もないのです」

“Lesbian women also don’t usually need access to contraception so they’re not having those opportunistic discussions with their doctors about screening.”

大変よ、レズビアンたち!! さっさと検診に行くのよ!!

日本の場合、子宮頸がん検診は、自治体の検診で受ければ格安(無料~2千円程度、自治体によって違います)です。検診クーポンや市のHPなどの説明を読んで、検診期間内に指定医療機関に行くだけで簡単に受けられます。自費で受ける場合は、保険証持参で産婦人科に行って、「子宮頸がん検診を受けたいです」と受付で言えばそれでよし。偶然にもあたし、先週自費で検診を受けてきたばかりなんですが、たったの3700円でしたよ。もちろん、医療機関によって料金設定の違いはあるでしょうから、気になる人は事前に電話で問い合わせるといいかもしれません。

ちなみに検診期間中の産婦人科はやたらと込んでいて、下手をすると2時間も3時間も待たされることもあるので、それが嫌な方はシーズンをはずして自費で受けた方が楽だと思います。検査そのものは5分程度で終わりますし、これで安心が買えるなら安いものです。

どうしてあたしがこうも産婦人科の回し者のように検診を勧めるのかというと、知っている方が若くして子宮頸がんで亡くなられたからです。検査が怖いとか面倒だとか言ってる場合じゃありませんよ、がんはもっともっと怖いし大変ですよ。行こうよ、検診。

なお、この研究のアブストラクトは以下をどうぞ。