石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

マテルがアビー・ワンバックモデルのバービー発表

Forward: My Story Young Readers' Edition

米国カリフォルニア州で2016年2月1日から開催されたMAKERS 2016カンファレンスで、同国の玩具メーカー、マテル社が、女子サッカー選手アビー・ワンバック(Abby Wambach)をモデルとするバービー人形を発表しました。

詳細は以下。

Watch Abby Wambach Unveil Her Very Own Barbie | TIME

カンファレンスでの、人形と本人の映像はこちら。

この「アビー・バービー」は、、同社の"Shero"コレクションのひとつとして作られたもの。"Shero"とは「女性ヒーロー」の意で、このコレクションは「バービーのように境界線を突破し、ジェンダー規範に挑み、女の子は何でもなりたいものになれるのだと示した」実在の女性をたたえるシリーズなのだそうです。「バービーのように」という部分がピンと来ない方は、バービーはこれまでアメリカ大統領にも消防士にも軍人にも外科医にも宇宙飛行士にもなっていることを思い出してくださいね。

ワンバック選手は、この人形について以下のように語っているとのこと。

「みなさんは信じてくれないかもしれませんが、わたしは小さい頃バービーが好きでした。本当ですよ。今口だけでそう言ってるわけではないんです」と、オリンピックで2度の栄冠に輝くチャンピオンは言った。「この人形は本当に影響力のあるステートメントだと思います……わたしたちは本当に目標にたどりつきつつあるのだということが、ここからわかります。人はみんながみんな同じように造られているわけではないのですが、もし自分が普通から外れていて、持っている人形がしっくり来なくても、別のオプションがあるんです」

“You guys may not believe this but I was a Barbie kid, like for real. I’m not just saying that,” said the two-time Olympic champion. “I think this is a really impactful statement…It just proves that we really are getting somewhere. Not everybody is created equal and if you’re out there and maybe your doll doesn’t look exactly like you feel, here’s another option.”

マテルは最近、バービー人形の体つきが非現実的すぎるという保護者たちからの声に答えて、背の高さや肌のトーン、ふくよかさなどにバラエティーをもたせた新しいバービーのラインナップを発表したばかり。昨年秋にはイタリアのブランドとコラボした「モスキーノ(MOSCHINO)・バービー」のCMに男の子を登場させたことでも話題になりました。従来型の画一的な美やロールモデルの押しつけだけではもう生き残れない時代だということに、おそらくマテルは気づいてるんじゃないかなあ。

ちなみにあたしが以前レズビアンの友人と話していて「小さい頃の人形遊びでどんなことをしていたか」という話題になったとき、ふたりの回想は以下のようでした。

  • 友人「リカちゃんはマッドサイエンティストだという設定にして、いつも毒薬を作らせたり何か爆発させたりしていた」
  • あたし「リカちゃんは探検家だという設定にして、恐竜のいる山の中とか探検させてた」

みごとなまでにヘテロロマンス皆無路線。そりゃ、そうだ。

そんなわけで、「普通から外れていて、持っている人形がしっくり来な」い子というのは少なからずいるんじゃないかと思うんですよ。マテルの進んでいる方向は正しいと、あたしは思います。