石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

米オクラホマ州のバスケ試合中、キスカムで女性同士がキス

Loud City
Loud City / Philadelphia 76ers

2016年4月11日、米国オクラホマ州でのサンダー対レイカーズ戦の最中に、キスカム(スクリーンに映し出された観客はキスしなければならないという遊び)に女性同士のキスが映りました。カメラが慌てて横にパンしていくのが笑えます。

詳細は以下。

The sight of two women on the kiss cam made this camera operator lose focus · PinkNews

動画はこちら。

同性同士のキスがキスカムに登場するのは、これが初めてではありません。野球やアイスホッケーなどでも、以下のような先例があります。

このうち、野球の試合中に男性同士のキスを披露したSteven Simone-Friedlandさんと夫のRickさんによれば、事前にカメラマンからキスカムに出て欲しいという依頼があったとのこと。もし今回のオハイオ州でのキスカムでもあらかじめ出演依頼があったのだとすると、おそらく依頼を受けていたのは野球帽を後ろ前にかぶった女性とチェックのシャツの男性のふたりで、にもかかわらず野球帽の女性がとっさにもうひとりの女性とキスすることを選んだという展開なのではないかと思います。それならチェックシャツの男性のウケ具合や、カメラが慌てて横にパンしていく理由に説明がつきそうですし。もちろん、すべてがアドリブで、女性同士のキスに驚いた素朴なカメラマンがとっさに焦点をずらしただけなのかもしれませんが。

さて、このように同性同士のキスがキスカムに映し出される機会が増えると、おなじみの「生殖ができない関係は不自然だから/嫌悪されて当然だから映すべきではない」的な意見を(またしても)唱え出す人も増えてくることと思います。そのような方には、キャロル・エアード先輩*1のこちらの意見*2を謹んで提示させていただくことにします。

わたしたちのような関係はいたずらに騒がれると同時にひどくおとしめられているわ。でもわたしには、キスの快楽も、男女の営みから得られる快楽も、単なる色合いの違いでしかないように思えるの。たとえばキスを馬鹿にするべきではないし、他人にその価値を決められるものでもない。男たちは子供を作れる行為かどうかで自分たちの快楽を格付けしているのかしらね。(引用者中略)ソフトクリームとフットボールのどちらの快楽が勝るか、論じ合ってなんの意味があるというの。ベートーベンの四重奏とモナリザを比べるようなものだわ。

これ、1952年に出版された小説ですよ。いまだに「生殖」というキーワードで他人のキスの値打ちを下げられると思い込むだなんて、半世紀以上も遅れてるのよ。

*1:小説&映画『キャロル』(映画の感想はこちら)の主人公。最近うちでは映画のDVDを鑑賞しつつ「キャロル・エアードさん、グイグイ行きすぎ」→「でもその姿勢を見習いたいですエアード先輩」→「尊敬するっす、エアードパイセン」のように、必ず敬称をつけて呼ぶ習慣が確立されています。

*2:出典: ハイスミス, P. (2015). 『キャロル』(柿沼瑛子, Trans. ). 東京: 河出書房新社. p. 392. (Original work published 1952).