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石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

『ティーン・ウルフ』『ARROW/アロー』のコルトン・ヘインズが同性愛者であることを公表

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ドラマ『ティーン・ウルフ』や『ARROW/アロー』で知られる米俳優コルトン・ヘインズ(Colton Haynes)が、Entertainment Weeklyのインタビューで、同性愛者であることを公表しました。

詳細は以下。

Colton Haynes gets honest about life after 'Arrow' | EW.com

今どき誰がカミングアウトしたってもう驚かないし、コルトン・ヘインズの場合、2016年1月のTumblrでのファンとのやりとりから「ゲイではないか」と言われていたこともあった(この一件は日本語メディアでも報道されていましたが、『ゲイ疑惑』などの失礼な表現が使われていたので、リンクは貼りません)ので、なおさら驚きません。しかし、それでもインタビュー中のこのことばは胸に刺さりました。

「人に対して雑誌『GQ』に載ったイメージ通りであってほしいと望む人は、1日に24時間演技し続けるというのがどういうことなのかわかっていないんです。ぼくは家に帰ってもまだ演技し続けていました」彼は静かに言った。「誰がゲイで誰がそうでないかについて、独善的に性急な判断をする人たちは、1日に24時間演技し続けるというのがこの世でもっとも疲れることだとわかっていません」

“People want you to be that GQ image that you put out, but people don’t realize what it’s like to act 24 hours a day. I’d go home and I was still acting,” he says gently. “People who are so judgmental about those who are gay or different don’t realize that acting 24 hours a day is the most exhausting thing in the world.”

すこし補足しておくと、先述のTumblrでのやりとりというのは、コルトンの「秘密のゲイの過去」についてコメントしたファンに対して本人が「それって秘密だったっけ?」と返したというもの。それにマスコミやブロガーがわっと飛びつき、ニュースの大見出しにまでなったことが「完全にショックだった」とコルトンは述べています。

「コメントか声明を出せばよかったのですが、準備ができていませんでした。いかなる人に対してでも、自分がそうする義務を負っているとは感じませんでした。どんな人でも、時期が来て準備ができたときにそのような(公式なカミングアウトの)決心をするものだと思いますが、自分にとってはまだだったのです」

“I should have made a comment or a statement, but I just wasn’t ready. I didn’t feel like I owed anyone anything. I think in due time, everyone has to make those decisions when they’re ready, and I wasn’t yet.

なお、このとき公式声明を出さなかったために報道はますます辛辣なものとなり、コルトンは病院で不安神経症(anxiety)の治療を受けることを余儀なくされたとのこと。Tumblrで一瞬だけ「演技」の手をゆるめただけでこんな目に遭うだなんて、ひどい話です。

以前ジョディ・フォスターのカミングアウトのときにも書きましたが、同性愛者がカミングアウトするか、しないか、するとしたらいつするかはすべて本人の判断にまかせるべきであって、外野が「言え」だの「言うな」だのと指図したり、ましてや言う必要の有無をジャッジしようとしたりするのはただの暴力だと思います。これだけ多様性だなんだと言われる時代になってもまだこういう暴力が猛威をふるい続けていることには、心の底からうんざりさせられます。

ちなみにEntertainment Weeklyによると、コルトン・ヘインズは高校時代には既に周囲にカミングアウトしており、家族や友人、一緒に働くキャストやプロデューサーなどに対してもカミングアウト済みだったそうです。つまり、単にこれまでパブリックな場では発表していなかったというだけ。日本語圏のメディアがそのへんのいきさつを無視して「ついにカミングアウト!」とか「同性愛を告白!」みたいな色眼鏡つきの見出しで報道したら嫌だなあと、と今から勝手に気を揉んでいるところです。