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石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャー。

プロムがダメならTVスターだ。タキシード姿のためプロムから締め出された米レズビアン少女、人気番組出演へ

LGBTニュース 百合/レズビアン

(ヨウフクノアオヤマ)洋服の青山 (ヴェネレート)Venerato スリーシーズン用 タキシード AB体(がっちり型)5号(170cm) 220100A

米国ペンシルヴェニア州の高校が、タキシードでプロムに参加しようとしたレズビアンの生徒を「警察を呼ぶ」と脅して帰宅させました。これを知った人気TV番組が、そのタキシードで出演してくれるよう彼女に依頼。本当に出演することになりました。

詳細は以下。

Bishop McDevitt girl thrown out of prom for wearing a suit

アニヤ・ウルフ(Aniya Wolf)さんは同州にあるビショップ・マクデヴィット高校の最上級生で、レズビアン。トランスジェンダーではないけれどもガーリーな服が嫌いで、高校にも3年間ずっとボーイッシュな服装で通っていた彼女は、プロムに参加することができませんでした。なぜか? プロムの直前に突然「女子はドレスを着用しなければならない」というルールが作られ、メールで配信されたから。

このメールは本当にプロムのぎりぎり直前になってから発送されたとのことで、アニヤさんはそれまでにもうプロム用のタキシードを買ってしまっていたのだそうです。それでもとにかくそのタキシードを着てプロム会場に行ったところ、学校職員に腕をつかまれ、警察を呼ぶと脅されて追い返されてしまったとのこと。

しかしながら、この話には続きがあります。人気TVコメディ『イッツ・オールウェイズ・サニー・イン・フィラデルフィア』(It’s Always Sunny in Philadelphia)のクリエイターで出演者のロブ・マケルヘニー(Rob McElhenney)がこの一件を知り、Twitterで直接アニヤさんにこう話しかけたんです。

アニヤ、きみのスーツが気に入りました。『サニー』で着てくれませんか?

“Aniya, I love your suit. Would u like to wear it on Sunny?”

それで本当に出演が決まっちゃったんだって。PinkNewsの以下の一行に尽きますな。

TVスターになれるかもしれないってときに、プロムとかもうどうでもいいわ。

Who needs prom anyway when you can be a television star.

アニヤさんの出演する回の収録は6月らしいです。プロムに勝るとも劣らぬ楽しい経験になるといいですね。

さて、個人的にこのニュースで何にいちばん呆れたかって、学校側の「警察を呼ぶ」という時代錯誤な脅し文句です。そりゃあ昔の米国では異性装が違法だった時代もありましたよ。たとえばストーンウォールの反乱(1969)当時のニューヨークでは、「自分の生物学的性別に合致する服を最低3点は身につけていないと違法」なんていうアホな法律があったはずです。でもそれ、約半世紀前の話ですから。いやしくも教育にたずさわる人間が、頭の中身をまるまる半世紀アップデートしていない/できてないって、どういうことだよ。いまだに「太陽系の惑星は水金地火木土天海冥」とか教えてんじゃないの、この学校?

……と思ったら、PinkNewsのコメント欄では半世紀以上前の話まで展開されてました。

マレーネ・ディートリッヒは70年以上前にタキシードを着て人気になったのに、この学校が20世紀に追いつくのはいつのことやら。

Wearing a tux was a good career move for Marlene Deitrich 70 odd years ago, who knows the school may catch up with the 20th century one day.

『サマー・ストック』のジュディ・ガーランドもそうだ。とてもセクシーだった。

Also Judy Garland in "Summer Stock" & she looked very sexy.

ディートリッヒがタキシードを着た『モロッコ』は1930年、そしてジュディ・ガーランドの『サマー・ストック』は1950年の作品です。そこにすら追いついてないという皮肉なわけ。ここ日本でも、ことジェンダーやジェンダー表現のこととなると100年ぐらい前の価値観からひとつもアップデートできていない人が山盛りいるので、対岸の火事じゃありませんね。知識や認識の更新って、マジ大事だわー。