石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

中国の大学、公開プロポーズしたレズビアン学生への卒業証書授与拒否 7万5千人が抗議署名

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中国の広東外語外貿大学が、卒業式の日に大学で公開プロポーズしたレズビアンへの卒業証書授与を拒否しました。大学はその後結局この学生に証書を与えたのですが、謝罪を求める署名には7万5千人が集まっています。

詳細は以下。

Lesbians' Proposal Fans Fear of "Foreign Forces" - China Digital Times (CDT)

上記リンク先で紹介されているXiaoyu Wangさんの手記によれば、Wangさんと恋人のOuyangさんはどちらもこの大学の学生で、卒業式の日に婚約することでカミングアウトしようと決めていたのだそうです。そして2016年6月21日、学生寮の門のところでOuyangさんがひざまずいてWangさんにプロポーズ。学友たちはお祝いのことばを述べ、ふたりのキス写真は中国のソーシャルメディアを席捲しました。

ところがその直後、大学の共産党委員会副書記官のDu氏がWangさんに対し、メディアと話すな、学校の印象を悪化させるなと要求してきたのだそうです。Du氏の弁では、これは「外国のメディア」による「残酷な」影響からWangさんを守るためだとのこと。

しかしながら6月22日、Wangさんが学校に卒業証書を受け取りに行ったところ、Du氏はWangさんのしたことは懲戒処分の対象となる可能性があるとして、証書の授与を保留にしてしまったのだそうです。大学側はまた、Wangさんの両親に電話でアウティングした上、娘さんは何者かに操られてこんなことをしたのであり、隠れた動機があるなどとも吹聴。さらに、警察の手を借りてWangさんのアパートに押し入り、「証拠」収集と称してプライベートなメモなどを集めることまでしたそうです。

一方、Ouyangさんもまた学校から「同居しているのか」「関係においてはタチなのかネコなのか」などと繰り返し質問されたとのこと。「夜の9時に電話をかけてきてタチかネコかと尋ねることはきわめて失礼」だとOuyangさんは指摘しています。

結局のところこの大学、レズビアンの学生を何ごとかから守る気など最初からさらさらなく、守りたいのは自分たちの異性愛中心主義とホモフォビアだけだったのでしょうね。そのために同性愛者をいじめて沈黙させ、ついでに下種な好奇心も満たそうとしたのでしょう、おそらく。

なおBBC Newsによれば、Wangさんはその後結局卒業証書を受け取ることができたものの、この件で大学から受けた屈辱に対する公式な謝罪を求めてオンライン署名を始めたとのこと。2016年8月2日現在、7万5千人以上の署名が集まっています。署名活動のためにつくられた事情説明の動画(テロップは英語です)が本当にわかりやすかったので、以下に貼っておきます。