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石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

ホッケー女子英国代表チームの同性婚カップル、リオ五輪で金

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2016年8月17日、リオ五輪ホッケー女子で英国が優勝。このチームにはチームメイト同士で結婚しているレズビアンカップルがいるため、このふたりは五輪史上初の「同じ競技の同じチームで一緒に金メダルを勝ち取ったカップル」となります。

詳細は以下。

Team GB hockey players become first married same-sex couple to jointly win Olympic gold · PinkNews

まずは金メダルを手にしたこのカップル、ケイトとヘレン・リチャードソン=ウォルシュ(Kate and Helen Richardson-Walsh)さんの写真をどうぞ。

2008年から交際を始めたふたりは、2013年に結婚。2012年のロンドン五輪でも共に英国代表として戦い、銅メダルを獲得しています。ケイトさんは2014年に一旦引退するもリオ五輪のために復帰をはたし、一方ヘレンさんも2度にわたる背中の手術を乗り越えて今回の出場に至ったとのこと。ふたりの関係を隠していないことについて、ケイトさんは「サン」紙のインタビューでこんな風に説明しています。

「わたしたちはただ、これがノーマルな(通常の、ふつうの、典型的な)ことだと示したいだけです。別に世界に向かって叫んでいるわけではなく、単にこれはわたしたちとは切り離せない大切な部分だというだけのことです」

“We just want to show that it’s a normal thing. We’re not out there shouting it, it’s just part and parcel of who we are.”

さらに、ヘレンさんはこう付け加えています。

「(カミングアウトは)完全に意識的にやったことでした。関係を本当にオープンにすると、人は『なぜそんなことを大げさに言い立てるのか』と言います。

「でも、黙っていれば、隠しているとみなされるかもしれません。それもまたわたしたちの望むことではありませんでした」

“It was definitely a  conscious decision (to come out). If you are really open about it, people say, ‘Why do you make such a big deal about it?’

“If you don’t mention it you could be seen as hiding it, which we didn’t want either.

なお、このふたりのおかげで親にカミングアウトできたとか、自分のセクシュアリティに折り合いをつけられたという人もいるのだそうです。大事だよね、こういうこと。

今回のオリンピックの報道では、女性選手の活躍を「夫のおかげ」「父親のおかげ」と男性の手柄にしてしまうような報じ方がけっこう目立っていたように思います。言い換えるなら、目の前の女性アスリート本人よりも、そのアスリートの夫や父親が誰であるのかの方が重要だと言わんばかりの報じ方ね。ほら、NBCがハンガリーの水泳選手カティンカ・ホッスー(Katinka Hosszu)の金メダルを「妻を変えた夫の功績」と称した一件とか。コーリー・コグデル(Corey Cogdell)選手が女子トラップで銅に輝いても、シカゴ・トリビューンが「『シカゴ・ベアーズのラインマンの妻が』今日リオ五輪で銅メダルを取った」としかツイートしなかった件とか。吉田沙保里選手のレスリング実況でも、日テレのアナウンサーが、

「タックル!攻めのタックル!これは父栄勝さんが教え込みました」「父親に教え込まれたタックルでいくか!」

などと「絶叫」していたと聞きます。どうしてこう夫や父親の話ばっかりしたがるんですか。

その点、リチャードソン=ウォルシュさんたちのような女性同士のカップルなら、報道も彼女たちの金メダルを「男のお手柄」に仕立て上げづらくていいなあと思いましたよ。いやもちろん、ヘテロの女子選手だって、「女の行動はすべて男の影響による。独身ならば父親の、既婚ならば夫の影響だ」みたいなアホすぎる迷信から解放されてしかるべきなんですけど、よく考えたらこれってアスリートじゃない女性にもありとあらゆる局面で押し付けられている迷信なので、こういうバカげた報道はすぐにはなくならなさそうな気がします。22世紀ぐらいまでにはなんとかならないものか。