石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

クロゼットなチアリーダーが彼女とプロムに行くミュージカル"The Prom"

Corsage
Corsage / Tai Gray

米国ジョージア州アトランタで2016年8月から上演されているミュージカル"The Prom"が話題を呼んでいます。ハイスクールのクロゼットなレズビアンカップルが、意を決して女の子同士でプロムに参加しようとするお話です。

詳細は以下。

This Time, Lesbian Teens Won’t Shut Down The Prom | Playbill

この物語の主人公、エマ(Caitlin Kinnunen)とアリッサ(Anna Grace Barlow)は高校生同士のカップル。チアリーダーのアリッサはレズビアンであることを隠していて、ふたりが会えるのは人目につかない場所だけ。このふたりが学校のプロムに女性同士で参加し、カミングアウトしようとしたため、プロム自体が中止されてしまって大騒ぎになるというのがおおまかなストーリーです。

稽古風景がとてもかわいらしいので、ぜひごらんください。見どころは曲の最後でエマとアリッサが手を取り合って軽くキスするところ(2:45~)。

米国のLGBTニュースを日常的に見ている人ならすぐわかると思いますが、これは米国で実際によく起こっていることを下敷きにしたミュージカルです。この手の事件でいちばん有名なのはミシシッピ州のレズビアン生徒、コンタンス・マクミラン(Constance McMillen)さんのケースでしょう。マクミランさんの通っていた学校は、彼女がガールフレンドとプロムに参加することも、プロム会場で女性同士で踊ることも禁じ、マクミランさんから訴訟を起こされると、プロム自体を中止にしてしまったんです。のちに裁判所はこの高校のしたことを違法だと認めましたが、マクミランさんは他の生徒たちから「自分たちの卒業年度を台無しにした」と恨まれて大変だったとのこと。これは2010年のことですが、似たような事件は今でも起こり続けています。

そんな中で開幕したこのミュージカルの反響はどうかというと、アリッサ役のAnna Grace Barlowがこんなことを言っているそうです。

「わたしのところにこう言いに来た女の子がいましたよ。『わたしの彼女の名前はエマで、わたしはキリスト教系の学校で3年間ずっとクロゼットにいました。カミングアウトしたら、ママは問題なく受けとめてくれました。この劇、本当によかったです。わたし、この劇に夢中です』。この作品をこんなにも自分のことのように感じてくれる人がいるというのは、すばらしいことです」

“there was a girl who came up to me and said, ‘My girlfriend’s name is Emma, and I’ve been in the closet at a Christian school for three years, and I came out and my mom was cool with it, and this was just amazing. I’m obsessed with this show.’ It’s amazing that somebody could relate to it so closely.”

いいね。必要だよね、こういうプロダクション。