石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

「ぼくのヒラリーおばさん」: 「甥っ子」のゲイ男性から見たヒラリー像

Secretary of State Hillary Clinton in New Zealand - the second day - Wellington and Christchurch, November 2010
Secretary of State Hillary Clinton in New Zealand - the second day - Wellington and Christchurch, November 2010 / US Embassy New Zealand

米大統領候補ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)の親友の息子の、コリン・エベリング(Colin Ebeling)さんというゲイ男性が、小さいときから彼が見てきたヒラリー像について語っています。

詳細は以下。

My "Aunt Hillary" | Huffington Post

コリンさんのお母さんとヒラリーとは、同郷の幼馴染。子供の頃から家族ぐるみでヒラリーを知っているコリンさんにとっては、彼女は弁護士や大統領候補である前に、まず「チェルシー(ヒラリーの娘)のママ」なのだそうです。以下の段落がとてもよかったので、ざっくり訳してみます。

ヒラリーが邪悪で卑劣な犯罪者であるかのようにみなされるなんて、不可解だ。ぼくは生涯を通じて、彼女を母のいちばんの支えになってくれる、愛に満ちた友達としてしか知らない。ヒラリーはぼくが12歳のとき、はじめてジェットコースターに乗らせてくれた(その後、ぼくたちはファンネルケーキ(訳注:米国の遊園地でよく売っている甘い揚げ菓子)を分けっこして食べた)。ぼくの卒業式でスピーチをして、一人残らず全部のクラスメートの写真を撮ってくれた。ぼくがカミングアウトしたときにも、パイロットの免許を取ったときにも、夫と結婚したときにも、養女を迎えたときにも、「ヒラリーおばさんより」とサインした手紙で祝福してくれた。母が乳がんの手術と治療を受けたときにには、何度もうちに立ち寄ってくれた。

To see Hillary portrayed as an evil, conniving criminal is baffling to me. Throughout my life, I have only known her as my mom’s most supportive and loving friend. Hillary took me on my first roller coaster ride when I was 12 years old (afterwards we shared a funnel cake). She spoke at my high school commencement ceremony and took photos with every single one of my classmates. The woman who signs her letters as “Aunt Hillary” congratulated me me when I came out of the closet, when I got my pilot’s license, when I married my husband and when we adopted our baby girl. She checked in with my family regularly while my mom underwent surgery and treatment for breast cancer.

なるほど、こういう人だからこそ、8年前に部下からオフィスのパーティーでカミングアウトされても慌てず動じずにっこり笑ってハグしていたのね……!

コリンさんは今でもヒラリーに娘さんの写真を送ったり(そうすると、どの写真がいちばん好きかを書いた返事がすかさず届くだそうです)、配偶者ともどもヒラリーとの会話を楽しんだりしているとのこと。だから、「この聡明で思いやりのある」女性がモンスター呼ばわりをされているのは本当につらい、うちのママの言葉を借りれば彼女はグッドガールなんだ、ヒラリーに投票するというのはグッドガールを選ぶということで、それがアメリカにとっては健康的な選択なんだ(大意)と主張して、コリンさんはこの一文を終えています。

このような手記が出てくることを、選挙のためのプロパガンダとして片付ける向きもあるでしょう。でも、たとえプロパガンダだとしても、対立候補のドナルド・トランプ(Donald Trump)陣営からは絶対に出てこない文章よね。トランプの側はというと、「甥っ子」ならぬ実の息子が職場での女性へのセクハラを容認する発言をしていたことを報じられたリしていて、別の意味でぶれない感じがひしひしと漂っています。トランプ本人に関しても、10歳の少女を見て「10年後には彼女とデートする」と豪語していたところの動画などが出てきており、子供と遊園地でケーキを食べてたヒラリーとはまさに180度逆。頼むよアメリカ、本選ではグッドガールを選んでよ……!