石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

スペインに同性カップルの信号機登場

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スペイン南東部の港市サンフェルナンドが、「止まれ」や「進め」の人物を同性カップルのシルエットで表示する歩行者用信号を導入しました。目的は「近隣の人々に、様々なカップルがいて当たり前だと知ってもらうため」。

詳細は以下。

Vídeo: San Fernando de Cádiz instala semáforos con parejas homosexuales | Verne EL PAÍS

まず、この信号機の映像をどうぞ。「止まれ」と「進め」のそれぞれで、手をつないだ同性カップルの姿が表示され、ハートマークも添えられています。

サンフェルナンドでは2017年2月上旬、これらの信号機を計10台、もっとも交通量の多い場所に設置したとのこと。内訳は、男性同士のカップルの信号機5台と女性同士のカップルの信号機5台です。市議会は2月14日を選んで記者会見を開き、これらの信号機は(一時的なものではなく)ずっと設置しておくと発表しています。「われわれは愛の多様性を認識し、目に見えるようにしたいと考えています」と市長は説明したそうです。

街の声を賛否両論とも合わせて紹介しているニュース映像を見つけました。

まず賛成派は「少しも悪いことじゃない」「異性愛以外の、男の子同士や女の子同士のカップルがいてあたりまえだということを示している」てなことを述べているようです。反対派のひとりは「お金の無駄遣いをやめてほしい」と言っていますが、ナレーションでは、これらの信号機で市にコストがかかることはないだろうと説明されています。他の反対意見は「道を歩くのにこれが必要だとは思わない」、「これには賛成しない」など。賛成しないと言った女性は、信号機を見ないで済むよう目を隠しながら歩いています。危ないと思うんだけど。

信号機の表示に同性カップルを使うという取り組みは他国でいくつか先例があり、オーストリアや英国などの例は日本語圏でも何度か報道されています。

ではスペインではどうかというと、バレンシア州でジェンダー平等のためとして、2016年にスカートをはいた女性像を使った歩行者用信号が設置されたことならあったようです。映像は以下を。

しかしソーシャルメディアをスペイン語でいくらか検索してみた限り、これでさえかなりひどい反発と嘲笑に遭っていたようです。信号の女性像を酒瓶を持って偉そうに立っている図に変えたり、大きな女性が小さな男性の前をさえぎってのし歩く図に改変したりしたコラ画像を作った人までいたみたいですからね。それはほとんど、19~20世紀初頭の英国で女性参政権を求めたサフラジェットたちが受けた揶揄や蔑視とほぼ変わらない世界で、ということはおそらく問題はスペインのカトリシスモやマチスモだけではないのだと思います。サンフェルナンドの同性カップル信号機についても今後さまざまな反発が起こるのでしょうが、逆に、だからこそここで退いてはいけないのでは。サンフェルナンド当局が、最初からこれらの信号はここに残すと言っていることを、頼もしく思いました。