石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

マイアミの通りが「ムーンライト・ウェイ」に改名 映画『ムーンライト』を称えるため

Moonlight

黒人ゲイの成長を描き、第89回アカデミー作品賞に輝いた映画『ムーンライト』の舞台は、フロリダ州マイアミ・デイド郡のリバティ・シティ。同映画を称え、リバティ・シティのある通りが「ムーンライト・ウェイ」と改名されるそうです。

詳細は以下。

Miami-Dade to Rename Liberty City Stretch "Moonlight Way" | Miami New Times

Miami Heraldによれば、『ムーンライト』は、「マイアミの映画(Miami film)にしたい」というバリー・ジェンキンス(Barry Jenkins)監督の意向で、約500万ドルの税優遇措置を蹴ってまでマイアミで撮影された映画なのだそうです。ちなみにジェンキンス監督自身がマイアミ出身で、「この街がわたしを作った」と言っているとのこと。また、『ムーンライト』の原案となった戯曲を手掛けたタレル・アルバン・マクレイニー(Tarell Alvin McCraney)氏もマイアミ出身。氏はリバティ・シティのアーティストたちを支援するため、自分もかつて学んだアフリカン・ヘリテージ・センター(African Heritage Cultural Arts Center)で教鞭をとっているのだそうです。

そんなわけでいわばこの映画の地元であるマイアミ・デイド郡は、同作品のオスカー作品賞受賞を受け、リバティー・シティーの通りの一部を「ムーンライト・ウェイ」と改名すると決めたのだそうです。以下、Miami New Timesより、この改名を提唱したオードリー・エドモンソン(Audrey Edmonson)郡政委員の声。

「この映画は、少なくともわたしが見たところでは、わたしたちの多くが大都市の貧民街での子供時代にどのように育ち、何をやり抜き、何に耐えてきたかを確かに描いています」

"This movie — at least what I got from it — really depicts the life of how a lot of us were raised and what we had to go through and endure as children in the inner city,"

「この映画が、今もこの貧民街に住んでいて、ろくな人間になれないと言われている子供たちのもとに届きますように。『ムーンライト』は、人はどこで生まれ育とうとなお、ひとかどの人物になれるのだということを教えてくれているのです」

"This goes out to children still living here in the inner city that are told they'll never amount to anything. It shows that it doesn't matter how you were raised or where you grew up; you can still turn out to be someone."

「ムーンライト・ウェイ」は、ノースウエスト22ndアベニューの、ノースウエスト61stストリートからノースウエスト66thストリートまでの間の区間だとのこと。

黒人ゲイというダブル・マイノリティ(貧困も加えればトリプルかも)が主人公の映画が大きな賞を獲ったばかりか、地元でもここまで支持され、たたえられているというのはすごいですね。そういえば『ブロークバック・マウンテン』のときにも、バーモント州のある山を「ブロークバック・マウンテン」という名前にするよう求める動きが2006年にありましたけど、その後実現したという話は寡聞にして聞きません。映画の方向性の違いなのか、作品賞を受賞したかしないかの違いなのか、それともこれが11年間の進歩というやつなのか?(なんせ2006年の時点では"Don't Ask, Don't Tell"はまだ撤廃されておらず、同性同士の結婚も連邦レベルでは認められていませんでしたからね)