石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

同性婚に関する豪郵送調査の回答用紙がネットオークションに出品される

Australia Dollars
Australia Dollars / InfoMofo

同性婚法への賛否を問う郵送調査が始まったオーストラリアで、この調査の回答用紙がネットオークションに出品されていることがわかりました。ある出品者は、「ゲイと異性愛者の友だちが両方とも好きだから、自分は『中立』」だと述べているとのこと。

詳細は以下。

People Are Trying To Sell Their Same-Sex Marriage Survey Forms Online

この調査はオーストラリア政府が選挙人名簿登録者を対象に実施しているもので、2017年9月12日から回答用紙の回収が始まったばかりです。回答は任意で、答えたくない人は用紙を廃棄するようにと公式サイトで説明されています。なお回答用紙の返送は2017年11月7日午後6時(現地時間)必着で、集計結果はオーストラリア統計局のWebサイトで発表される予定だとのこと。

で、さっそくこの回答用紙をeBayやGumtreeのようなネットオークションサイトに出品する人が現れたんだそうですよ。Zaky Mallahさんという出品者は、BuzzFeedに対しこう説明しているそうです。

「自分はストレートの友だちもゲイの友だちも平等に愛しています。だからこれに関しては自分は中立。よって、この紙は誰にでも売ります」

"I love my straight and gay friends equally. So I'm sitting on the fence with this one. Hence, the paper is up for grabs," he said.

Mallah氏がつけた売値は600ドルで、彼はこのお金でゲイとストレートの両方の友人をランチに連れて行くと言ったとのこと。しかしながらその後、eBayもGumtreeもこの回答用紙の出品を消去したそうです。なお、オーストラリア統計局は、購入した用紙による回答はセンサス統計法(Census and Statistics Act 1905)または連邦刑法典(Commonwealth Criminal Code)のどちらかに違反する可能性が高いとしており、既にこれ以外の売買サイトにも出品取り下げを依頼してあるとのこと。

いくらなんでもかんでも出品されるのがネットオークションだとは言え、こんなもんまで売られてはたまったものではありません。そもそも少数者の人権に関することを多数決でどうこうすること自体が危険なのに、不正な回答まで可能になってしまったら、同性愛とトランスジェンダーをごっちゃにしたいんちき広告で「同性婚にノーと言いましょう」キャンペーンをやっている人たちの思うツボじゃないですか。同性婚を阻止するためならどれだけでもお金出しますよ、あの人たち。それを食い止めるために、ゲイがわざわざお金を出してその用紙を買わされるだなんて、冗談じゃない。それから、中立("sitting on the fence")を自称しておいでのMallah氏には、南アの反アパルトヘイト運動の指導者デズモンド・ツツ牧師のこのことばを謹んでお贈りしたいと思います。

もしきみが、不正な状況で中立であるのなら、きみは抑圧者の側に立つことを選んだのである。

If you are neutral in situations of injustice, you have chosen the side of the oppressor.

あと、BuzzFeedコメント欄のこちらの意見も。

異性愛者とゲイの友だちを平等に愛しているのなら、彼らがみんな結婚する権利を持てるように投票すればいい。

If you love your straight and gay friends equally you should be voting so that they can all have marriage rights.