石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

メリッサのモノマネ演技が光る回~ドラマ『スーパーガール』S3E10 "Legion of Superheroes"感想

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S1E13みたいな話でした

昏睡状態のカーラは覚めない夢の中で自分の葛藤に気づき、復活。アレックス(カイラー・リー)らは人類を「浄化」しようとするレイン(オデット・アナブル)と戦う。モン=エル(クリス・ウッド)は相変わらず役立たず。主な見どころはメリッサ・ベノイスト(Melissa Benoist、姓は日本では『ブノワ』表記も)の演技力とケイティ・マクグラスの鎖骨、プロットは月並み。

S1のブラック・マーシーの話と変わらなくね?

「スーパーガール/カーラ(ベノイスト)が白日夢の中に閉じ込められるも、アレックスの助力でアイデンティティを取り戻し、復活して地球を救う」という筋立てが、ほとんどS1E13("For the Girl Who Has Everything")とほぼ同じであるように感じました。実際、違うのは、カーラが閉じ込められる精神世界が「クリプトン星で幸せだったころの『カーラ・ゾー=エル』の世界」から、「地球人『カーラ・ダンバース』の世界」に変わったということぐらいでしょう。カーラの自己認識の変化はS3の重要なテーマではあるけど、ここまでS1と似たような話を持ってくるなら、何か両者の対比なり、繰り返しなりによる効果をつけくわえるぐらいのことはしてもよかったのでは。

そしてモン=エルの無能っぷりときたら

モン=エルが妻イムラ/サターン・ガール(エイミー・ジャクソン)ともどもレインとの戦いに参加しない理由が「DNAに大事な情報を隠してあるからボクチンたちは死ねないの(大意)」って、いくらなんでも設定がガバガバすぎるのでは。DNAなんて死体からでも、いや抜け毛一本からでも採れるでしょ。そもそもこの人たち、呪術を恐れる古代人みたいに、普段から切った髪やら爪やらを一生懸命穴に埋めて隠したりしてるわけ? 

しかも、そうやってさんざんもったいをつけてからいざ戦いに参加したモン=エルがしたことと言えば、レインに向かって芸もなく突進し、一瞬で氷の玉に閉じ込められることだけ。なんでこんなのが30世紀のスーパーヒーローたちのリーダー格で、しかもいまだに(いまだに!)カーラのラブ・インスタレストだということになっているのやら。彼もまたヒーローだということにしたいのなら、いいかげんに見せ場のひとつも作ってやってくださいよ。

よかったところ

今回の最大の見どころは、メリッサ・ベノイストによる、カーラに化けたジョン=ジョーンズ役の演技だと思います。座り方もしゃべり方も腕の組み方も完全にジョンで、いかめしさとかわいらしさが同時進行で視聴者の脳みそをゆさぶる名ギャグシーンとなってました。他にはレナ・ルーサー(ケイティ・マクグラス)の肩出しドレス姿もよかった。Autostraddleによる、「彼女はあの鎖骨を武器として登録しなくていいんだろうか」という指摘がすべてです。そうそう、DEOによるレイン捕獲作戦のくだりには意外性も見せ場もあり、うまい描き方になっていたと思います。カーラの葛藤解決にもこれぐらい新鮮さがあるとよかったんだけど。

まとめ

カーラの昏睡ネタに既視感がありすぎるところが残念でした。でもメリッサによる笑わせどころやDEOの奮闘ぶりなどはよく、全体としてはまずまず。シーズン3後半の口火を切る回として、そこそこの仕上がりのエピソードだったと思います。あ、ちなみに今回、レズビアン要素はゼロです。せめてアレックスのこんな写真をどうぞ。