石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

なぜパン屋が同性カップルにウエディングケーキを売らないのは悪いことなのか? ジミー・キンメルがコントで説明

Entertainment Weekly [US] March 13 2015 (単号)

現在米国では、パン屋が同性カップルにウエディングケーキを売らないことが違法かどうか、連邦最高裁で争われているところ。コメディアンのジミー・キンメルが、なぜこうした販売拒否が間違っているのかをコントで示しました。

詳細は以下。

This is why it's absurd for bakers to deny gay couples wedding cakes

動画はこちら。

このコントで描かれているのは、4人組の男女がレストランで食事を注文しようとしているところ。まず、キンメル扮するウエイターが、この中にゲイはいるかと質問します。ひとりの女性が自分はゲイだというと、ウエイターは当店自慢のサラダはあなたには出せません、今日のサラダ係のトニーは同性愛は罪だと信じているからと言い出します。これってまさに、同性愛者のカップルがパン屋(あるいはケーキ屋)でウエディングケーキを売ってもらえないのと同じ理屈ですよね。

話はここで終わりません。ユダヤ教徒の男性客は、担当者が反ユダヤ主義だという理由でラザーニャの注文を断られます。ゲイじゃない男性がさきほどの女性に代わってサラダを頼もうとしても、やっぱり断られます。理由は、レストランのオーナーが魔術崇拝者の女僧侶で、男性が女性のために注文するのは家父長制の悪事をはたらくことだと信じているから。もうひとりの女性がステーキを頼むのもダメ。理由は「シェフがヒンドゥー教徒だから」。

コントだけあってめちゃめちゃ誇張されてはいますが、もし店の持ち主の宗教的信念による販売拒否が合法だということになれば、本当に誰が何を買えなくなってもおかしくないんですよね。そこでゲイはゲイ用の店に、ユダヤ人はユダヤ人用の店に……といちいち分離していたら過去の人種隔離政策の時代と変わらないし、そもそも連邦最高裁は1954年に「分離すれど平等(separate but equal)」の原則は合衆国憲法修正第14条違反(つまり、平等じゃない)とする判断を下しています。パン屋の裁判でも、まともな判決が出るといいんだけど。