石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。

今週の未紹介LGBTニュース(2018年2月25日)

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トランプがオプラをディスる。エレンがさっそく両者を比較

Ellen came out swinging at Donald Trump after he insulted Oprah / LGBTQ Nation

米国のトランプ大統領が人気司会者オプラ・ウィンフリー(Ellen Defends)のことを「自信がない(insecure)」などとして罵ったため、オプラのマブダチのエレン・デジェネレス(Ellen Defends)が動画で両者を比較してみせたというニュース。動画は以下を。

ここで比較されているのは、まずオプラが2018年1月におこなった"Time's Up"スピーチと、(マルコ・ルビオに手の小さい男はアレも小さいと揶揄されたからという理由で)自分のアレのサイズについて「保証する、問題はない」とスピーチ中に手をひらひらさせながら言い出すトランプの姿(参考:Donald Trump's Small Hands | Know Your Meme)。自信がないのは果たしてどっちなんでしょうね。もうひとつは、人を助けるときの方法や態度の違い。大統領に対する、「いいかげんに自分の仕事に気づいて」というエレンの指摘は正しいと思います。

ガス・ケンワージー、尻の大痣を披露

Gus Kenworthy Revealed a Gruesome Bruise on His Butt After Competing in the Winter Olympics

オープンリー・ゲイの冬季五輪選手、ガス・ケンワージー(Gus Kenworthy)が、平昌五輪での競技後、尻の大きな痣をInstagramで披露したというニュース。当該ポストは以下の通り。

Just a bruised peach.🍑

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本人がINSIDERで語ったところによれば、これは練習時のたびかさなる転倒による血種でできた痣なんだそうです。なお、ガスは同じ写真をTwitterにも載せて、「『君の名前で僕を呼んで』のティモシー・シャラメ以来、桃がここまで破壊されたことはなかった」と冗談を言っています。このシーンのことですね。ははは。


オランダのスーツブランドが広告で男性同士のいちゃいちゃ描く

Fashion company loses social media followers over same-sex ads - BBC News

オランダの紳士服メーカーSuitsupplyが、世界22か国の計91店舗で使用する広告に、プールサイドなどでいちゃつく男性同士のカップルを登場させたというニュース。映像はこんなです。

New Spring Summer 2018 | Find Your Perfect Fit

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New Spring Summer 2018 | Don’t Just Fit In

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New Spring Summer 2018 | Find Your Perfect Fit

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同社の判断を称賛する人も少なくない一方、ソーシャルメディアではバックラッシュも起こっているんだそうです。オランダの新聞、NRC Handelsbladによれば、この広告が原因でSuitsupplyのInstagramのフォロワーが1万人減ったとのこと。ただ今実際に同社のInstagramアカウントを見てみたところ、現時点でフォロワー数は37万6千人もいたので、割合からすれば1万人というのはそう大きな数字でもないような気もします。

ゲイカップルにいやがらせをした英国籍の男らを逮捕

Brits arrested in Gran Canaria after 'abusing gay couple on flight from East Midlands Airport'

英国からスペイン領グランカナリア島へと向かう飛行機の中で英国人ゲイカップルにずっと嫌がらせをしていたとして、スペインの警察が英国人男性3人を逮捕したそうです。

事件が起こったのは2018年2月8日のことで、3人はフライトの間ずっとこのカップルに暴言を浴びせたり性的指向を嘲ったりし続け、さらに飛行機からバゲージ・ターミナルに向かうバスでも同じことをしていたとのこと。ゲイカップルの通報により、警察が防犯カメラの映像やチケットの情報などから容疑者らを特定し、9日に逮捕したんだそうです。3人は性的指向に戻づく差別の形で基本的人権を侵害したとして起訴されているとのこと。

ちなみにこの3人が捕まった場所、プラジャ・デル・イングレス(Playa del Ingles)はこんな感じの観光地です。

Playa del Inglés, Palmas
Playa del Inglés, Palmas / jay-jerry

Playa del Inglés beach and dunes
Playa del Inglés beach and dunes / jay-jerry

Playa Del Ingles
Playa Del Ingles / baswallet

わざわざお金出して海外のビーチまで行って、ゲイに嫌がらせをして1日で逮捕とはね。ご愁傷さま。

ブレンダン・フレイザー、ゴールデングローブの元会長からの性的被害を語る

What Ever Happened To Brendan Fraser? | GQ

米俳優ブレンダン・フレイザー(Brendan Fraser)が、ハリウッド外国人映画記者協会(Hollywood Foreign Press Association, HFPA)の元会長、フィリップ・バーク(Philip Berk)から性的に加害されたことを公表しています。2003年の夏、ビヴァリー・ヒルズ・ホテルでのHFPAの昼食会の席で、バークに触られたのだそうです。

「彼の左手が動き回り、ぼくの尻のほっぺたをつかみ、1本の指が会陰部に触れる。彼はそれから、その指を動き回らせるんです」フレイザーは、このとき彼はパニックと恐怖に打ちのめされていたという。

“His left hand reaches around, grabs my ass cheek, and one of his fingers touches me in the taint. And he starts moving it around.” Fraser says that in this moment he was overcome with panic and fear.

フレイザーは結局バークの手をどかせてホテルから飛び出したものの、「喉の中にボールが詰まっているようで、泣き出してしまうんじゃないかと思った」そうです。これまでこのことについて公に声を上げてこなかったのは、「恥辱や、キャリアへの打撃」というリスクへの懸念があったから。

バークは現在もHFPAの会員で、フレイザーの話は「完全なでっちあげ」だと述べているそうです。バークはフレイザーの代理人の求めに応じて謝罪の手紙を書いているのですが、その手紙について「不正行為を認める内容ではなく、よくある『もしもわたしが何かフレイザー氏を困惑させるようなことをしたのだとしたら、それはわざとではなく、謝罪します』というものだった」と言っているとのこと。

ゴールデングローブって今年1月の授賞式に女優が黒のドレスコードで参加し、オプラがTime's Upスピーチをした賞よね。HFPAはブレンダン・フレイザーからのこの告発について真剣に調査するべきでは。

養子縁組あっせん機関が同性カップルを排除できる法案可決 米ジョージア州上院

Bill making it legal to ban gays & lesbians from adopting passes in Georgia / LGBTQ Nation

米国ジョージア州の上院が2018年2月23日、養子縁組あっせん機関が宗教的信念を理由に同性カップルへの養子あっせんを断ることを認める「法案375」(Bill 375)を35対19で可決したというニュース。ほらね、先日『クィア・アイ』リブート版の感想でジョージア州を「LGBTフレンドリーとは言い難い」と呼んだのは、こういうところがあるからですよ。

ナン・オロック(Nan Orrock)上院議員は、この法案への反対を以下のように表明しています。

「もっとたくさんの家族に養子をとると申し出てほしい、里親制度の中で身動きできずにいるたくさんの子供たちの数が減ってほしいと思いますか? そうするための方法は、LGBTカップルの養子縁組禁止ではありません」

“You want more families coming forward to adopt children and reduce the load of children stuck in the foster system? The way that you do that is not to bar LGBT couples from adopting”

またジェン・ジョーダン上院議員も、この法律は子供の最大の利益より養子縁組あっせん機関の方を優先する結果につながるものだとして批判。ビジネス界からも、2年前にジョージア州が米国じゅうからボイコットを受ける羽目に陥った(そして結局知事が拒否権を発動した)HB757、通称「宗教の自由法」の再来になるのではないかという懸念の毛が上がっているそうです。下院での審議でこのへんの論点がちゃんと議論されるといいんだけど。

米カンザス州共和党がアンチトランスな決議を採択

Kansas GOP opposes efforts to validate transgender identity | The Kansas City Star

『オズの魔法使い』の舞台、米国カンザス州の共和党が2018年2月17日、「トランスジェンダーのアイデンティティーを認めようとするすべての努力に反対する」("oppose all efforts to validate transgender identity")決議を採択したというニュース。

この決議は「自己認識ではなく生物学的な性別によって決定された、神によるジェンダーの設計」に賛同するもので、決議案を提出したEric Teetsel氏は以下のように発言しているとのことです。

「そして結局、人間は自分の性自認を決めることができるのだというイデオロギーは不完全で、たくさんの苦痛を生み出しますから、真であり善であるとわかっていることを取り戻すことが重要なのです」

"And ultimately, an ideology that says you can determine your own gender identity is broken and it’s going to lead to a lot of pain, and that’s why it’s important to bring us back to what we know to be true and good,"

カンザス州って以前からトランスジェンダーの人々に性自認通りのトイレを使わせまいとしてきたところですよ。それどころか、トランスジェンダーの人々が出生証明書のジェンダーを変えることさえできないようにしようとしている州。その上でこの決議。何が神だ、性別だ、これって全部マッキノン(1989)*1が言った、「男性のイメージが神を定義し、男性の性器が性別を定義している」ってことばの通りでしょ。誰が「男」で誰が「女」かを決める権限は自分たちにあると思い込んでいるシス男性たちが、その特権が「不当にも」取り上げられると思って、シス男性の姿を投影した「神」を持ち出してゴネてるだけでしょ。最低。

*1:Mackinnon, C. (1989). Feminism unmodified: discourses on life and law. Cambridge. MA: Harvard University Press. p. 36.