石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

Netflixが『ワンデイ 家族のうた』シーズン3制作発表(※ついでにS1~2の感想もまとめてみました)

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ついにシーズン2制作決定!

Netflixが、キューバ系米国人家族が主役のシットコム『ワンデイ 家族のうた』のシーズン3制作を発表しました。嬉しい! これで長女エレナのレズビアンネタや、世界一セクシーな毒舌おばあちゃん・リディアの活躍がまた見られる!!

詳細は以下。

Netflix renews One Day at a Time for Season 3 (VIDEO).


『ワンデイ 家族のうた』とは? あらすじとS1~2の簡単感想など

『ワンデイ 家族のうた』は1975年の同名シットコムのリメイク。現代の米国を舞台に、アフガニスタン帰還兵でPTSD持ちのシングルマザー、ペネロピ(ジャスティナ・マシャド)と、移民一世のおばあちゃん(リタ・モレノ)、レズビアンの娘エレナ(イサベラ・ゴメス)などの日々のドタバタが描かれます。

こんなブログをやっていながら、あたしにはあまりにも好きすぎてなかなかうまく感想がまとめられずにいるドラマ・映画・小説etc.が山ほどあって、『ワンデイ』もそのひとつ。だってレズビアン・テーマひとつとっても最高なんだよ! シーズン1で描かれるのはエレナのカミングアウトと家族がそれを受け入れるまでなんだけど、よくある「同性愛者は許されないことだと思って悩むティーンエイジャー」だの「『無理解な』家族からの拒絶」みたいな前世紀的ステレオタイプはひとつも出てこないの。ブロッコリーのたとえ(めちゃくちゃ秀逸)を使った適確な説明や、偏見はないはずなのに動揺する母の姿、おばあちゃんの予想外の反応、そしてラテンアメリカの伝統行事、キンセ("Quinceañera"、女の子の15歳の誕生日にお姫様みたいなドレスを着せて盛大に祝うパーティー。現代では性役割固定的だという批判も)をどうするかという大問題などを駆使して、多角的で、かつしっかり笑える脚本でこの話題に切り込んでるの。正しい人が正しくない人を改心させる物語ではなく、家族が喧嘩しつつもお互い共有できるものを見つけ、歩み寄り、再統合するお話なんです。シーズン1最終話なんて、何回見ても号泣するわ。あのエレナの衣装だけで泣くわ。

そしてシーズン2では、そのエレナに恋人ができるんです。このシーズンでは前シーズンよりキャラの掘り下げが進み、エレナはよりナードな変わり者として描かれているのですが、彼女の恋人シドも負けず劣らずインパクトのあるキャラ。ふたりがお互いゲイだと気づく場面とか、プロムのお誘いシーンとか、「そこのキスしてるティーンエイジャー」と警察に拡声器で言われてしまうシーンとか、どれも最高にアホかわいいです。ヘテロ受け狙いの美化もエロイメージの押し付けもなしで、よくぞこれだけ微笑ましく愛らしいレズビアンの高校生バカップルを描いてくれたものだと思います。

ちなみに同性愛以外のテーマの描き方もすごくうまくて、人種差別や性差別などがいかに空気のように社会に行きわたっていて、善良な人が悪気なくツルッとやってしまうものなのかということが、笑いに乗せてテンポよく描かれています。さらに特筆すべきは、リタ・モレノ演じるリディアおばあちゃんの魅力。今年のアカデミー賞授賞式で彼女の変わらぬ美しさに見とれた人も多いかと思いますが、あの美しさと力強さはそのままに、おちゃめで強引でキューバ命の愛すべきおばあちゃんを演じてるんです。その昔『ウエストサイド物語』を学校の体育館で見て「アニタかっこいい」と見とれていた自分に、「この女優さん、コメディエンヌとしても最高なのよ」と教えに行きたいぐらい。

待ち望まれていたシーズン3

このドラマのシーズン2は2018年1月26日に配信が始まり、Rotten Tomatoesのトマトメーターで100%、オーディエンススコアで96%を叩き出しました。にもかかわらず、次シーズンが作られるかどうかについてはなかなかアナウンスされていませんでした。2月14日には、番組クリエイターのグロリア・カルデロン・ケレットが、Netflixは何を作るかを視聴データで決めるから、あと数日で『ワンデイ』を少なくとも4話見てほしいと呼びかけています。

ラテン系の人権団体も、番組の継続を求めるオープンレターを発表。SNSでは#SaveOneDayataTime(『ワンデイ 家族のうた』を救え)や#renewonedayatatime(『ワンデイ 家族のうた』の更新を)というハッシュタグのもとに、ファンたちがこの番組を続けてほしいと意志表明していました。我が家でも、微力ながらあたしと彼女のNetflixアカウントでそれぞれ少なくとも3周は本作品をビンジウォッチングしてました。ようやく更新が発表されて、たいへん嬉しく思っています。

おまけ(動画)

最後に、キャストの皆さんからの喜びの告知動画をどうぞ。