石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。

ヘイリー・キヨコが新譜発売 テイラー・スウィフトにまつわる名言も

Expectations

オープンリー・レズビアンの歌手ヘイリー・キヨコ(Hayley Kiyoko)のデビューアルバム『Expectations』が2018年3月30日にリリースされました。女の子同士のミュージックビデオを作ることについて、彼女がインタビューで話していることが面白いです。

まず、本人によるアルバム発売告知ツイートはこちら。曲順通り最初から最後まで聴いてほしい、設定や音をつくったのはわたしだけれど、これはあなたの(あらゆる人の)パーソナルな旅なんだ、てなことが書かれています。

そして、新譜発売に際してRefinery 29で受けたインタビューがこちら。

上記インタビューではヘイリー・キヨコのエスニシティやアルバム内の曲の紹介、これまでのキャリアなどに触れた後、キヨコのこんな発言を紹介しています。

「音楽業界の何人かのエライ人たちに、『また女の子についてのミュージックビデオを作るのか?』と言われたことがあります。わたしは誇張ではなしにその人たちをじっと見て、こう言いました。うーん、そうですねえ……テイラー・スウィフトはありとあらゆる曲とビデオで男について歌ってますが、誰も彼女にオリジナリティーがないなんて言ってませんよ」とキヨコは言う。「わたしは自分の音楽を過度に性的にしているわけではありません。わたしが女性と寝るのは女性が好きだからであって、セクシーぶろうとしているからではありません。注目を集めるためじゃないんです――これがわたしの人生なんです」

“I’ve had several music industry execs say ‘You’re doing another music video about girls?’ I literally looked at them and was like, um, yea...Taylor Swift sings about men in every single song and video, and no one complains that she’s unoriginal,” Kiyoko says. “I’m not over-sexualizing my music. I make out with women because I love women, not because I’m trying to be sexy. That’s not to turn heads — that’s my life.”

わかるわかる、すごくよくわかる。創作物の中で異性愛をどれだけうたい上げようと誰も「またか」とは言わないのに、同性愛となるととたんにあるべき上限が勝手に設定されてしまうんですよね。この「マイノリティには『これぐらいまでなら存在してよい』という枠があり、それを超えた横溢は認められない」という無意識の決めつけは、アメリカ合衆国最高裁判所の女性判事、ルース・ギンズバーグ(Ruth Ginsburg)氏が2012年に以下の発言で批判したのと同じものだと思います。

「ときどき、いつになったら(連邦最高裁の女性判事の人数が)十分だと言えるのでしょうかと訊かれるのですが、そこでわたしが『9人(全員)が女性になったときです』と言うと人々はショックを受けます。でも、以前はずっと男性9人が判事をしていたのですよ。そして、誰もそのことについては疑問さえ持たなかったのです」

when I’m sometimes asked when will there be enough [women on the Supreme Court], and I say 'When there are nine,' people are shocked. But there’d been nine men, and nobody’s ever raised a question about that.

ちなみにテイラー・スウィフト(Taylor Swift)はホモフォーブやトランプ支持者に大変人気のある歌手で(※全部のファンがそうだというわけではありません)、キヨコの上記発言はたちまちテイラーのファンたちから叩かれたとのこと。しかしながらテイラー本人は、あるファンがTumblrに書いた「(キヨコを叩いている)人々は誤解している」、「彼女はテイラーがオリジナリティがないとか男狂いだとかの悪口を言ったのではないと思う」という文章に「その通り」とレスをつけ、続けてこんな風に書いています

アートを通じて自分の正直な恋愛物語を語る勇気があるアーティストには、拍手を贈るべきです。それに実際のところ、わたしはホモフォビアに直面したことは一度もないのに、彼女にはあるのです。彼女には、誰であれ恋愛対象が同性か異性かでダブルスタンダードを使うような人を非難する権利があります」

We should applaud artists who are brave enough to tell their honest romantic narrative through their art, and the fact is that I’ve never encountered homophobia and she has. It’s her right to call out anyone who has double standards about gay vs straight love interests.

Expectations

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