石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

米ゲイ教師がカミングアウト後脅迫され辞職 脅迫状を公開

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ゲイであるために脅迫状を送りつけられ、辞職と引っ越しを余儀なくされた米カンザス州の教師が、その脅迫状の画像をFacebookで公開しました。

詳細は以下。

Gay Kansas teacher quits and moves after he was harassed | The Kansas City Star

このゲイ男性、マイケル・ヒル(Michael Hill)さんは、2009年から同州の人口2千人ほどの町、セニカのネマハ・セントラル・ハイ・スクール(Nemaha Central High School)で教員をしていました。ヒルさんは2017年のナショナル・カミング・アウト・デイ(10月11日)にカミングアウトしたのですが、以来車のタイヤを切られてボンネットの埃の上に「オカマ」("faggot")と落書きされたり、写真をスナップチャットで回されたり、脅迫状を送り付けられたりするようになったとのこと。学校からは7週間の無給の傷病休暇が認められたものの、ヒルさんは結局辞めることにし、2018年2月にカリフォルニア州へと引っ越したのだそうです。

ヒルさんは2018年4月17日、三通の脅迫状の画像をFacebookで公開しました。手紙の差出人はすべて「心配している保護者」("a concerned patron")となっています。

手紙の主は、一通目ではまず聖書を持ち出して、ゲイが学校で教師をすることに反対しています。

聖書はおまえのふるまいを許さないし、わたしはうちの子がこの種の不道徳にさらされることを望まない。(引用者中略)おまえは解雇されねばならない、ゲイな考えともども消え失せろ。オカマどもはわたしたちの学校では歓迎されない。

The Bible does not condone your behavior and I do not want my kids exposed to this type of immorality[...]You need to be fired and take your gay ideas with you. Fags are not welcome in our schools.

二通目ではさらに具体的な脅迫に。

学校当局と教育委員会には必要なことをやる根性がないから、この手で自ら問題を解決するつもりだ。(引用者中略)おまえがどこに住んでいるか知っている。おまえのスケジュールはよく知っている。背中に気をつけるんだな、こっちはひとりじゃないんだ。

Since our school administration and school board don't get the guts to do what's necessary I'm just going to need to take matters in my own hands.[...]I know where you live. I know a lot about your schedule. You need to watch your back cause I ain't alone.

そして、三通目の記述はこんな。

おまえ、今学校にいないんだってな、そりゃあ好調なスタートだ。戻ってこようなんて思わない方がいいぞ! 変態どもは地獄で焼かれ、おまえも焼かれるんだ。

I have heard you ain't in school, that's darn good start. You better not think about coming back! Queers will burn and so will you.

これらの脅迫状については1月5日に警察に届け出済で、警察は今も捜査中だとのこと。

ヒルさんは上記画像をFacebookに載せた2日後、「大量の支援の声が寄せられたことに驚いています」、「セニカが悪いところだと思ってはいません、すばらしい人々がいて、生徒たちは最高でした」と書いています。でも、何千人何万人支援者がいようと、たったひとりが本気で危害を加えてきたらそれだけで十分すぎるほど危険なわけで、そこに差別問題の難しさがあると思います。50年代のように当局がわざわざゲイバーなどを捜査して、ソドミー法やわいせつ法を盾にゲイ教師を学校から追放していた時代よりはましだとはいえ、今後の課題はまだまだ大きいと思いました。