石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。

信心深いレズビアンはそうでないレズビアンより自殺リスクが高い(米研究)

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米国の研究者らが、約2万人の大学生を対象とした調査データを分析したところ、信心深いレズビアンが自殺念慮を持つ可能性はそうでないレズビアンの約五割増しだという結果が得られたと報告しています。

詳細は以下。

Young Lesbians Are Twice As Likely To Be Suicidal If They're Religious | NewNowNext

この論文のタイトルはAssociation of Religiosity With Sexual Minority Suicide Ideation and Attemptといい、American Journal of Preventive Medicineの2018年5月号(Volume 54, Issue 5)に発表されました。以下でアブストラクトを読むことができます。

同研究の目的は、宗教観が自殺リスクに及ぼす影響が、性的指向(異性愛者、ゲイ/レズビアン、両性愛者、クエスチョニング)によってどのように変わってくるかを探ること。アブストラクトによれば、2011年のテキサス大学の学生21247名の調査データを解析したところ、宗教はとても重要だと回答したゲイやレズビアンは、最近自殺念慮を持ったり、これまでの人生で自殺未遂をしたことのある確率が、異性愛者より高かったとのこと。NewNowNextでは、以下のようなもう少し詳しい内容まで説明されています。

  • 宗教はとても重要だと考えているゲイとレズビアンが自殺念慮を持つ可能性は、そうでないクィアな人々より38%高かった
  • 信心深いレズビアンが自殺念慮を持つ可能性は、そうでないレズビアンより52%高かった

でね、大事なのはこの結論の部分だと思うんです。

宗教を基盤とするメンタルヘルスおよび自殺防止のためのサービスは、ゲイ/レズビアン、バイセクシュアルまたはクエスチョニングの人々の益とならない可能性がある。宗教にもとづくサービスの提供者は、自分たちのサービスはすべての人を対象とするもので、ゲイ/レズビアン、バイセクシュアルまたはクエスチョニングの人々を支援していると積極的に確約すべきである。

Religion-based services for mental health and suicide prevention may not benefit gay/lesbian, bisexual, or questioning individuals. Religion-based service providers should actively assure their services are open and supportive of gay/lesbian, bisexual, or questioning individuals.

米国とかだと宗教ベースのサービスって本当に多いですからね。まさしくその宗教によって「ヘテロ以外の性的欲望はすべて罪である」という観念を植え付けられて苦しんでいる人々が、自殺予防プログラムでまで自分のセクシュアリティを否定されたら? わざわざ聖書を引いてまで、「情欲に迷って滅び行く古き人を脱ぎ捨て、心の深みまで新たにされて、真の義と聖とをそなえた神にかたどって造られた新しき人を着るべきである」とかなんとか説教されたら? あるいは、そもそも性的指向を理由にサービス提供を拒否されたら? それがらくだの背中の最後の藁になってしまう可能性は、十二分にあると思います。メンタルヘルスケア提供者にはLGBTQセンシティヴなトレーニングが必要だし、性的少数者の側にも、安全なサービス提供者かどうかを調べる必要がありそう。