石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。

リタ・オラ新曲「Girls」の問題点をヘイリー・キヨコが指摘

Girls (feat. Cardi B, Bebe Rexha & Charli XCX) [Explicit]

リタ・オラ(Rita Ora)の新曲で、(同性愛者ではない)女の子の女の子といちゃいちゃしたい気持ちを歌った「Girls」に対し、ネットで批判の声が上がっています。オープンリー・ゲイの歌手ヘイリー・キヨコ(Hayley Kiyoko)も、Instagramで問題点を指摘。

詳細は以下。

Hayley Kiyoko Calls Out Rita Ora: "I Don't Need to Drink Wine to Kiss Girls"

「Girls」はカーディ・B(Cardi B)やビービー・レクサ(Bebe Rexha)、チャーリーXCX(Charli XCX)とのコラボ曲で、2018年5月11日にミュージックビデオが公開されています。動画は以下を。

この曲の歌詞は、「ときどき女の子、女の子、女の子とキスしたくなる("Sometimes, I just wanna kiss girls, girls, girls")」、「赤ワイン(を飲むと)、女の子、女の子、女の子とキスしたくなる("Red wine, I just wanna kiss girls, girls, girls")」、「一夜だけあなたのリップスティックになってもいい("I could be your lipstick just for one night"」などといったもので、要するにケイティ・ペリーの「I Kissed a Girl」路線の、別に同性愛者ではない女性の女性とのいちゃつき願望を歌ったものだと解釈できる内容になっています。ケイティ・ペリーとちょっと違うのは、女性同士のセックスの暗示まであることと、それがご丁寧にもヘテロ男性御用達の「レズビアン」ポルノみたいなシザリングポジション(はさみが出てくる場面にご注目)などで表現されていること。

PRIDEでは、この曲に対するクィアなファンからの批判ツイートがたくさん紹介されています。うちふたつだけ、以下に引用して訳してみます。

訳:

リタ・オラ、女性が好きだとか女性に惹かれるとかいうのはキュートな流行なんかじゃないし、退屈だからするようなことでもないし、女の子にキスしたり女の子を愛したりすることが自分にとって「人気欲しさに周囲のみんなと同じことをすること」でしかないのなら、それについて歌い出すのはやめて。めちゃくちゃ失礼だよ。

@RitaOra loving and being attracted to women is not a cute trend, it’s not something you do when you’re bored, you don’t get to sing about kissing and loving girls when all it is to you is some bandwagon for popularity. so damn disrespectful.

カーディ・BとチャーリーXCXとビービー・レクサとリタ・オラは、自分たちはひとりもLGBTQじゃないのに、女の子をゲットすることについての歌を作ってもOKだと全員思ってるの? ダメ、あなたたちは「一晩だけのリップスティック」にはなれないよ。わたしのカルチャーを盗用するのはやめて、こういうもののせいで、異性愛者の女の子が、わたしたちといちゃいちゃしてわたしたちの時間を無駄にすることをキュートだと思っちゃうんだよ

So cardi B, Charlixyz Bebe Rexha, & Rita ora all think it’s ok to make a song about getting girls but none of them are LGBTQ? Nah you can’t “be a lipstick for one night” stop appropriating my culture foh this is why straight girls think it’s cute to flirt with us & waste our time

そして、レズビアンとしてカミングアウトしているシンガー・ソングライターのヘイリー・キヨコは、以下のような長文をInstagramにアップロード。

一部訳すとこんな感じです。

このような歌は、女性を愛する女性という概念を辺縁に追いやり、「男性の視線」(訳注:"male gaze"、すなわち女性をもっぱら男性の目を喜ばせるためだけのオブジェクトとして表現すること)に燃料を補給するだけです。

この歌にたずさわったアーティストたちにはそのつもりがなかったということはわかるのですが、わたしが本当に困っているのは、歌詞の思いやりのなさです。わたしには、女の子とキスするためにワインを飲む必要はありません。生まれてからずっと女性が好きなんですから。この歌のようなタイプのメッセージは、(女性を愛する女性の)コミュニティ全体の非常に純粋な感情を軽んじ、無価値にするという理由で危険なのです。

A song like this just fuels the male gaze while marginalizing the idea of women loving women.

I know this wasn't the intention of the artists on the song, but it's the lack of consideration behind these lyrics that really get me. I don't need to drink wine to kiss girls; I've loved women my entire life. This type of message is dangerous because it completely belitteles and invalidates the very pure feelings of an entire community.

いちレズビアンとして、あたしはヘイリー・キヨコに共感します。さっき引き合いに出したケイティ・ペリーでさえ、"I Kissed a Girl"にはステレオタイプが含まれているから今あの曲を書くなら歌詞を変えるだろうと言っているのに、リタ・オラはちょっと不用意すぎたのでは。別に非ヘテロとしてカミングアウトしていない人たちが女性同士の愛や性を歌うこと自体は自由なんだけれど、このMVみたいな「ほら見て! アタシはなななんと! 女の子とキスしちゃうんですよー!! それ以上の、シスヘテ男好みのポルノみたいなことも!! でも酔っぱらった勢いでだから、同性愛者なんかじゃないんですうー!!」みたいな表現は糞ださいし、「しょせん女同士なんてその程度のもの」というステレオタイプの強化にもつながっていると思います。買いたい人は買えばいいけど、あたしは買わないよ。同じリタ・オラなら、『スーパーガール』S2E8のラストシーンで流れたアコースティックバージョンの「Coming Home」(これは買った)を百万回聴いてた方がいいよ。