石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。

ゲイの卒業生総代、学校にスピーチを検閲され別の場所でメガホンでスピーチ

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米国ケンタッキー州のカトリック校が、ゲイの卒業生総代によるスピーチを、「対立を招きすぎる」などとして式から外してしまいました。総代はこのスピーチを別の場所でメガホンを使って披露し、拍手を浴びています。

詳細は以下。

This Catholic School Censored Its Gay Valedictorian's Speech—So He Delivered It With a Megaphone | NewNowNext

この学校は同州クレストヴューにあるホーリー・クロス・ハイスクール(Holy Cross High School)。2018年の総代、クリスチャン・ベイルズ(Christian Bales)さんはゲイで、かつジェンダー・ノンコンフォーミング("gender nonconforming"、社会的なジェンダー規範に適合しない性自認のこと)だとのこと。学校当局はこのベイルズさんが2018年6月1日の学位授与式のために用意していたスピーチを、「対立を招きすぎる」、「怒りすぎている」、「個人的すぎる」などの理由でプログラムから外してしまったのだそうです。

ベイルズさんはニューヨーク・タイムズに対し、自分のスピーチは極端なものではまったくなく、セクシュアリティーやジェンダー・ノンコンフォーミティーについての言及もなかったと話しています。彼は自分のスピーチは不適切ではないと判断し、式の場所から離れたところで、メガホンを使って予定通りのスピーチをすることにしたんだそうです。

そのスピーチの映像がこちら。

スピーチ全文(PDF)は、以下で読むことができます。

https://assets.documentcloud.org/documents/4486635/Christian-Bales-2018-Holy-Cross-High-School.pdf

動画とPDFを見る限りでは、このスピーチには本当にセクシュアリティーやジェンダーの話題はまったく含まれていないようです。ベイルズさんは冒頭でまずマージョリー・ストーンマン・ダグラス高校銃乱射事件のサバイバーたちの活動について触れ、そこから一貫して、若者の声は重要だということや、卒業後自分たちの発言権を役立てていくべきだということについて話しています。以下、一部引用して訳してみます。

「若者は勝ちます。というのは、わたしたちは無頓着でいることをやめつつあるからです。世間には賢さは年齢とダイレクトに比例しているという誤解がありますが、それが間違いだということを、わたしたちは日々証明しています。ときには、もっとも若い者が、つまりこの世界の残虐行為に麻痺していない者がもっとも賢いということもあるのです。それゆえ、わたしたち若者が、教育をしなければなりません。若者は諸問題について率直に発言しなければならないし、若者を黙らせようとする慣習や組織に直面しても、震えてはなりません。わたしたちはすでに、地域社会の中でこのことをなしとげてきました。

“The young people will ​win” because we’re finished being complacent. There’s a misguided notion that wisdom is directly proportional to age, but we’re disproving that daily. Sometimes the wisest are the youngest in our lives, the ones who haven’t yet been desensitized to the atrocities of our world. Therefore, we young people must be the educators. The young people must be willing to speak candidly about issues, and we mustn’t tremble in the face of the institutions that try to silence us. We’ve already accomplished this in our own community.

この程度で「対立を招きすぎる」って、意味がわからないんですけど。

ちなみにこのスピーチでは、上記引用箇所の直後に、この学校の生徒たちがなしとげてきた功績として、中絶反対デモへの参加や、南軍大統領ジェファーソン・デービスの像の移転への反対運動などが挙げられていたりします。つまりプロ・ライフや南軍支持の立場からのスピーチであるわけで、個人的には全然好きになれません。賛同できる部分もあるけれど、全体的には女性や非白人の権利などどうでもいいと思っている白人ゲイおぼっちゃんの意見表明だという印象を受けました。ただ、こういう保守的な価値観ってカトリック校にはむしろ好まれそうな気がするんだけど、それでもプログラムから外されてしまったというのは興味深いですね。銃規制の部分がそれだけ逆鱗に触れたってこと?