石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

罵倒されたらラメで反撃。英国ゲイ男性のつぶやきがヴァイラルに

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通りすがりの車からアンチゲイな言葉で罵られた英国のゲイ男性が、プライド・イベント用に買ってあったグリッター(ラメパウダー)を有効活用したとTwitterで報告。大きな話題を呼び、BBCにも取り上げられています。

詳細は以下。

When glitter goes viral – Nick Hurley – Medium

マンチェスター在住のこの男性、ニック・ハーリー(Nick Hurley)さんは2018年8月3日、仕事帰りに道を歩いていたところ、通りすがりの車から"F****t!"(『ホ〇野郎』の意。強い罵倒語です)と罵られたのだそうです。そこで彼が思い出したのが、8月4日のブライトン・プライドで使うために買ったグリッターをちょうどそのとき持ち合わせていたということ。

で、こうなりました。

訳:

もしある人が、車でぼくの横を通り過ぎるとき窓からぼくに向かって「ホ〇野郎」と叫んでもいいと思っているのなら、その人が信号で車を停めたときに、ぼくがその窓越しにグリッターのボトルを空にしてもいいと思うんだ。

カジュアルなホモフォビアには、超ゲイな結果がついてくるんだよ。

日本時間で2018年8月9日現在、このツイートは2万回以上リツイートされ、16万件近い「いいね」がつけられています。Mediumによると、8月6日までで450万人以上の人がこのツイートを読んだそうです。さすがにこれだけ拡散されると見当違いのリプライも来たようですが、それに対してハーリーさんがつけた補足説明がまた面白いの。

訳:

ぼくのグリッター活動の環境負荷を心配している人もいるようなので、いくつかのポイントを挙げておきたいと思います。

  1. このグリッターは生分解性のものでした。
  2. その男は車(車ですよ!)を運転していました。
  3. あなたがたはぼくの話の肝心な部分を理解していないのだと思います。

この話を知って真っ先に心配するのが環境負荷って、すごい人もいたものですね。斉藤章佳著『男が痴漢になる理由』(イースト・プレス)に、逮捕されて刑に服する痴漢は家族や身近な人に迷惑をかけたことは心配する一方で、被害者の心情はまったく心配しておらず、それどころか被害者の存在そのものを忘れていると書かれていたのをちょっと思い出しました。痴漢は「自分がやっていることは、女性への加害であり許されない行為である」と気づいてしまうと痴漢行為が続けられなくなるため、記憶を都合よく改竄してしまうのだそうです。ひょっとしたら、元ツイートを読んでグリッターによる環境負荷のことばかり気にし始める人も、結局は「ゲイをホモフォビックな語で罵倒することは、ゲイへの加害であり許されない行為である」と気づきたくないのかもしれませんね。