石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。

エマ・ワトソンにトランス・キッズから感謝のお手紙

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先日Twitterに載せた写真でトランスジェンダーの人々の権利を支持するとを表明した英女優エマ・ワトソン(Emma Watson)のもとに、世界中のトランスジェンダーの子供たちから感謝の手紙が寄せられています。

詳細は以下。

Trans kids are sending Emma Watson drawings to thank her for supporting their rights · PinkNews

まず、その写真というのはこちら。エマが胸に"Trans rights are human rights"(トランスの権利は人権)と書かれたTシャツを着て拳を固め、ダブルバイセップスのポーズ(和製英語でいうところのガッツポーズ)をしているところが映っています。

英国では現在、ジェンダー認定法(Gender Recognition Act)2004の改正に関する協議を進めているところです。同国ではこれまでトランスジェンダーの人々が出生証明書のジェンダーを変更するには、望みの性別での2年間の生活歴と、2人の医師による性別違和の診断が必要でした。また18歳未満の子供たちは同法の対象外とされていて、これは性的アイデンティティの尊重を主張する国連子どもの権利委員会の最近の勧告と矛盾してもいます。政府は、現在の制度は「官僚的すぎ、高価で、侵襲的」だとして手続きの簡略化に乗り出しており、法改正のための意見公募(public consultation)を2018年6月3日から10月22日(当初10月19日までの予定だったのが、22日までに延長されました)にかけて実施していました。

アンチトランスのヘイト団体はこの改正に反対し、「女性が危険にさらされる」「ペニスがある人間が女だと思うのか」などと書かれたヘイト広告を新聞に出したりしてトランスフォビアを煽っています。ちなみにこの団体は、「刑務所にいるトランスジェンダー女性の41%が性犯罪者」という大嘘を吹聴したためにTwitterをbanされたところでもあります。これ以外でもまた別の団体が街中にでっかいヘイト看板を出したりしていて、大変なんですよもう。エマ・ワトソンはこのようなヘイトの嵐の中、10月18日に、つまり当初の予定で意見公募締切の前日だった日(現地時間なら締切日当日だったかも)に、トランスの平等を支持すると示す上記ツイートをしたんです。

トランス権利運動家のFierceMum(@FierceMum)さんが、エマのこのツイートを見て喜んだ世界中のトランスの子供たち、そしてトランスのきょうだいを持つ子供たちが感謝の手紙を書いたとして、それぞれの手紙の画像をTwitterで紹介しています。以下のツイートをクリックすれば、スレッドで全部見ることができます。

以下、子供たちの手紙の文面をちょっと訳してみます。


訳:

ハーマイオニー大好き!! トランス女子 9歳

I love Hermione!! Trans girl age 9.


訳:

エマ、助けてくれてありがとう わたしは6さいのトランスの女の子です

GRACIAS EMMA POR TU AYUDA SOY UNA NIÑA TRANS DE 6 AÑOS


訳:

ぼくらを支援してくれてありがとう! 14歳トランス男子

THANK YOU FOR SUPPORTING US!

訳:

ありがとうエマ

Grazie Emma

The Guardianによれば、現在、自己認識によって法的なジェンダーを変えることが認められている(つまり、医師の証明なしでジェンダー変更の手続きができる)国はアイルランド、アルゼンチン、米国(カリフォルニア州)、コロンビア、ポルトガル、デンマーク、ノルウェー、マルタなど。トランスジェンダーの未成年者が法的なジェンダーを変更できる国はアイルランド、ベルギー、マルタ、ノルウェー、オランダなど。エマ・ワトソンに手紙を寄せた子供たちが、ほぼこれ以外の国の子たちばかりなのは偶然ではないでしょう。大人はトランスフォビアで我を忘れてヘイトスピーチに走る前に、まずこの子たちの意見に真剣に耳を傾けるべきなんじゃないの。それが大人の仕事ってものでしょう。