石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。

今週の未紹介LGBTニュース(2018年12月23日)

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レインボーフラッグを盗まれたカップルを隣人ら支援 町中をレインボーに 米イリノイ州

Barrington neighbors cover street with rainbow flags after couple’s flag stolen, replaced with American flag | WGN-TV

米国イリノイ州バーリントンで2018年12月9日、レズビアンカップルのケイシー・ハンダル(Casey Handal)さんとザデッテ・ロサド(Zadette Rosado)さん宅の裏庭に何者かが忍び込み、旗ポールに飾られていたレインボーフラッグを勝手に星条旗と取り換えるという事件が起こりました。これに対する、ふたりのご近所さんの反応がすごい。このカップルとの連帯を示そうと、自分たちの庭にレインボーフラッグを飾って町中をレインボーにしたり、「シークレット・サンタ」としてハンダルさんらの家にプレゼントを届けたりしているのだそうです。

ハンダルさんとロサドには子供がふたりいて、今回のことはその子たちへのすばらしい教訓になったとハンダルさんは話しています。

「いい人たちがしていることを見てね、世の中のすてきな人たちを見てねと言いました。悪い人ひとりにつき、いい人は100人いるということ、そしてこの世界には善があり、善はいつだって悪を上回るのだということを目にするのは、うちの子たちにとっても近所の子たちみんなにとっても本当にいい教訓になりました」とハンダルは言った。

“We said look at what all the good people are doing, look at all the nice people in the world. For every bad person, there’s 100 nice people, And it is a really good lesson for them, and for all the children in the neighborhood, to see that there’s good in this world and it always outweighs the bad,” Handel said.

このご一家の写真はこちら。


アダム・リッポン、難民支援のホリデー特番の司会を担当

Samantha Bee & Adam Rippon Host 'Christmas on I.C.E.' Holiday Special

オープンリー・ゲイのフィギュアスケーター、アダム・リッポン(Adam Rippon)が、米国のTVトーク番組『Full Frontal with Samantha Bee(原題)』のホリデースペシャル"Christmas on I.C.E." で、サマンサ・ビー(Samantha Bee)とともに司会役をつとめました。これはトランプ政権のゼロ・トレランス・ポリシーによって家族と引き離されてしまった難民の子供たちを支援するためのプログラムで、上記の動画ものっけから権力の横暴を皮肉りまくる内容になっています。

ちなみに番組最後の募金の呼びかけの後にもちゃんと笑わせどころがあって、アダムのジャンプもちょっと見られたりします。さすがはサマンサ・ビーの番組。


ジョニー・ウィアーがNetflixドラマ『Spinning Out(原題)』出演

Johnny Weir Joins Netflix Skating Drama 'Spinning Out' | Hollywood Reporter

元五輪フィギュアスケート選手でオープンリー・ゲイのジョニー・ウィアーが、Netflixのフィギュアスケートドラマ『Spinning Out(原題)』に出演すると発表されました。ジョニーが演じるのは主人公ペアのライバルペアのひとり、ゲイブ(Gabe)。Netflixによれば、「一見すると呑気な男に思えるが、おおらかでお気軽な外面の下には、キャットとジャスティン(訳注:主人公ペアのこと)を倒すためなら手段を択ばない冷酷な競争相手がひそんでいる」というキャラだそうです。

『フォー・ウエディング』続編でアリシア・ヴィキャンデルとリリー・ジェームズが同性婚

Alicia Vikander and Lily James to Wed in British Rom-Com Sequel

ロマコメ映画『フォー・ウェディング』(1994)の続編で、アリシア・ヴィキャンデル(Alicia Vikander)とリリー・ジェームズ(Lily James)が同性婚するカップルを演じます。リリー・ジェームズは前作の主人公チャールズ(ヒュー・グラント/Hugh Grant)の娘役で、アリシア・ヴィキャンデルはその結婚相手役だとのこと。この続編は短編作品で、2019年のレッド・ノーズ・デイ(英国の慈善運動の日で、笑いによって募金を集めるというもの)、すなわち3月15日に英国でテレビ放映されるんだそうです。

5つ星ホテルが"HoMo"の命名断念 オーストラリア

Five-Star Hotel Drops the Name 'HoMo' Following Backlash

"HoMo"と命名される予定だったオーストラリアのホテルが批判を受け、"Motown"という名前に変わりました。このホテルは同国の美術館、MONA (ミュージアム・オブ・オールド・アンド・ニュー・アート)が建設を予定しているもので、"hotel"と "MONA"の合成語で"HoMo"と名付けられる予定だったとのこと。MONAの創設者デイヴィッド・ウォルシュ(David Walsh)氏はこの改名について以下のように語っています

「敢えて言えばHoMoの方が少しよかったのですが、その語が好きではない人は本当にそれを嫌っていたのです」

"There was a slight preference for HoMo but the people that didn't like it, really hated it,"

「しかし結局のところ、自分がゲイではないのなら何かをHoMoと呼ぶ権利はあまりないのだということがわかりました。腹を立てた人が少しいましてね。わたしは文化的に無神経だったのだと思います」

"But it turned out that I didn't really have the right to call something HoMo when I'm not gay. It offended a few people. I guess I was being culturally insensitive."

本当に「少し」なのかね、腹を立てた人。あと「文化的に」じゃなくて単純に無神経そのものだと思う。

レズビアン・ウェディングを計画した女性11人を逮捕 ナイジェリア

11 women arrested in Nigeria for planning lesbian wedding - PinkNews · PinkNews

ナイジェリア北部カノ(Kano)州で2018年12月11日、レズビアンカップルを含む計11人の女性が、このカップルの結婚式を計画したとして逮捕されました。同州の宗教警察ヒズバ(Hisbah)のAbba Sufi長官は、この逮捕は密告を受けてなされたもので、捜査が済み次第彼女らは起訴される、われわれの社会にこのような見下げ果てたふるまいが根を下ろすことは許せないなどと話しているとのこと。

ちなみにカノ州というのは、同性愛の罪には死刑判決が下される可能性があるところ。逮捕された女性らは、自分たちはレズビアンではなくダンスクラブのメンバーで、新たに就任した副会長のためのパーティーを企画していただけだと主張しているそうです。

コンバージョンセラピー禁止の嘆願に7万人以上署名 カナダ

70,000 Canadians sign petitions calling for conversion therapy ban · PinkNews

カナダでコンバージョンセラピー(同性愛者やトランスジェンダーの人々をシスヘテロに変えるというふれこみのいんちきセラピー。うつや自己破壊的行為などを引き起こすリスクがあると指摘されています)の禁止をもとめる署名ふたつが、計7万筆もの署名を集めました。あのカナダでまだ禁止されていなかったというのは意外な気もしますが、PinkNewsによると、世界でもコンバージョンセラピーが禁止されている国はまだエクアドル、ブラジル、マルタの三つだけなんだそうです。世界はまだまだ野蛮だ。

世界初の「シス男性お断り」フェスティバルに「反差別法違反」の判断 スウェーデン

World’s first festival ‘free from cis men’ found guilty of discrimination · PinkNews

スウェーデンの差別オンブズマンが2018年12月11日、同国で開催された世界初の「シス男性お断り」のミュージックフェスティバルは反差別法違反だとする判断を下しました。

スウェーデンでは近年、音楽フェスティバルでの性暴力が問題になっており、Bråvallaというフェスティバルが23件もの性暴力事件が起こったため中止になったり、 We Are Sthlmというイベントでも多数のレイプが報告されたりしています。そこで、「メディアは移民やアルコールのことには注目するが、性暴力の97%がシス男性によるものだということには注目しない」ということから、性暴力に反対するためのひとつのステートメントとして企画されたのがこの" Statement Festival"というイベントでした。「女性と、ノンバイナリーとトランスジェンダーの人のみ」参加できるこのイベントは、クラウドファンディングで50万クローネ(約600万円)以上の資金を集め、ユーロヴィジョンの出場者などを目玉に8月31日から9月1日の2日間にわたって開催されました。

とりあえずオンブズマンによれば、違法ではあっても「入場の際、性別による来場者の差別化はおこなわれていなかった(“no differentiation based on sex was made between visitors at entry”)」ということで罰則は課されないのだそうです。どうなるんだろう、来年から。

血縁だけが家族じゃない ゲイ・バイセクシュアル男性9人がchosen familyを語る

This Heartwarming Video Reminds Us Family Isn’t Always About Blood

セクマイにとって帰省というのはしばしば鬼門だったりします。結婚はーとか恋人はーとかいちいちうるせえし、差別的な親戚とも顔を合わせなきゃならなかったりするし。米国でも状況はあまり変わらないようで、ゲイ用の出会いアプリChappyの調査によると、こんな結果が出てるんだそうです。

  • ゲイ男性の30%が、クリスマスの間に家族からホモフォビックな反応を見せられた経験がある
  • ゲイ男性の17%が、クリスマスの間に家にやってきた親戚(extended family)からのホモフォビアを経験したことがある

で、こんな時期こそ血縁ではなく自分の意思で選んだ家族("chosen family"、お互いを家族とみなして助け合う親密な仲間たちのこと)の大切さを思い出しましょうということでChappyが作ったメッセージ動画がこちら。別にセクマイじゃなくても、実家にいい思い出がない人は、積極的に"chosen family"を作ってそっちと楽しく過ごした方がいいと思うわ。