石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

S4実現のため『ワンデイ家族のうた』視聴を クリエイターが呼びかけ

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先日S3が公開されたNetflixオリジナルドラマ『ワンデイ家族のうた』のクリエイターが、Netflixが来シーズンを製作するよう、より多くの人にこの作品を見てほしいと訴えかけています。

詳細は以下。

www.pride.com

『ワンデイ~』は、1970年代の米国で人気を博した同名のシットコムのリメイク。キューバ系米国人一家を主役に、現代社会の諸問題をこれでもかとばかりに詰め込んで、しかもめちゃくちゃ笑えるギャグ作品に仕上げられた力作です。LGBT要素に関しても、一家の長女、エレナのレズビアンネタが最高。S1ではカミングアウト、S2では初恋、S3では初体験が描かれるんですが、どれも切り口がすごく新鮮で、ぐっとくるところもアホ可愛いところもたくさんあって、よくある感動ポルノなんかじゃ全然ないんです。

このNetflix版『ワンデイ~』は2017年にスタートし、Rotten Tomatoesのトマトメーターで99%、オーディエンススコアも91%(シーズン1~3の平均値)と好評を博しています。とは言え製作があのNetflixだから、いくら好評でも配信データによっては無碍に打ち切りにされてしまう可能性も否定できず、クリエイターのグロリア・カルデロン・ケレット(Gloria Calderón Kellett)はもっと多くの人にこのドラマを見てほしいと呼びかけています。

エレナ役のイサベラ・ゴメス(Isabella Gomez)や、第4シーズンに出演したジョー・マンガニエロ(Joe Manganiello)も同様の呼びかけを。

『ワンデイ~』の良さについてもう少し話を続けると、エレナの初めての恋人シドがノンバイナリーだという設定で、それでいて代名詞の問題がお説教じゃなくちゃんとギャグになっているところなんかもすばらしいです。それから、トランスの女優を起用しつつ、全然それを番組の売りとして宣伝したりしていないところも。S3をごらんになった方、ルピータ(ペネロペ)が通っているグループミーティングのアジア系女性メンバーを演じている人(ニッキー・エンドレス/Nicky Endres)がトランスだって知ってました? あたしゃ、LGBTQ Nationのこの記事を読むまで全然気づきでしたよ。S3では他には、一家の大家シュナイダー役のトッド・グリネル(Todd Grinnell)の実体験を基にした依存症のエピソードなんかも凄かったですね。依存症患者があの怖くてマニピュラティブな状態になる瞬間をちゃんと描いてて、近年だと映画『アリー/スター誕生』と同じぐらいフェアでしっかりしたアルコール依存症描写だと思いました。そんなこんなでとてもよくできたドラマなので、未見の方がこれを機にご覧になってくださるとうれしいです。