石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

トランス男性に性的暴行 支援者が抗議デモ アルゼンチン

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アルゼンチンで2019年5月1日、24歳のトランス男性が強盗に襲われ、性的暴行を受けるという事件が起こりました。警察は彼の強姦されたという訴えを信じず、強盗と傷害の被害だけを記録。これに抗議するデモが、5月6日に開催されました。

詳細は以下。

agenciapresentes.org

Presentesによると、被害者のルーカス・マティアス・ガルヒウロ(Lucas Mathias Gargiulo)さんは、当日午前9時ごろ、アルゼンチン北部の都市サン・ミゲル・デ・トゥクマンでタクシーから降りて自宅に向かっていたところをバイクに乗った暴漢2人に襲撃されたとのこと。暴漢らはルーカスさんから金品を奪ったうえ、激しく殴打し、「ホモ野郎、てめえを男らしくしてやる」と言ってズボンを引きずりおろしたのだそうです。加害者らはそこでルーカスさんに男性器がないことに気づき、事態はさらにひどいことになりました。

しかしながら警察は、ルーカスさんが強姦された、挿入されたと言っても信じず、強盗と傷害についてしか記録を取らなかったのだそうです。ルーカスさんは病院で診察を受け、この事件についてFacebook公表しました。そして2019年5月6日、彼を支援する人たちが、「ルーカスのために正義を(Justicia por Lucas)」と呼びかけるデモをサン・ミゲル・トゥクマンと同国首都のブエノスアイレスで開催しました

アルゼンチンは2012年に手術も精神科による診断もなしでのジェンダー変更を認めるジェンダー・アイデンティティ法(Ley de Identidad de Género)を成立させた国で、ラテンアメリカでもっともLGBTフレンドリーな国のひとつだとも言われています。けれどもHuésped Foundationの調査では、ジェンダー・アイデンティティ法の施行後、以前よりはスティグマや偏見が減った一方で、施行から1年たってもトランスの人10人のうち6人が社会的差別を経験していたという結果が出ていたりもします。こういう事件が起こっていることを見ても、まだまだ解決すべき課題があるということなのかも。¡Basta de transodio!