石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

チリ下院、同性カップルの養子縁組認める 

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2019年5月8日、チリ共和国の下院が、同性カップルの養子縁組を承認する法案を可決しました。さらに、性的指向またはジェンダー・アイデンティに基づく差別の禁止、子の養育時にカップルがシビルユニオンの関係を結ぶ権利なども認められました。

詳細は以下。

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今回可決された養子縁組法改正案の目的は、「養子縁組されるこどもや青少年の最大の利益を守ること」、「家族構成がどうあれ、こどもや青少年が生まれ育った家では与えられなかった愛情を与えられ、精神的・物質的なニーズを満たすための配慮を受けられる家庭のふところで生活し、発育する権利を守ること」だとのこと。さらに、性的指向やジェンダー・アイデンティティを理由とする差別を禁止したり、子供を育てるカップルがシビルユニオン登録することを認めるといった内容も含まれており、賛成101票、反対34票、棄権1票で承認されたのだそうです。

さらに興味深いことに、主に政府が推していた、同性カップルを親に持つ子の権利を制限する(『父親と母親』の役割に特権を持たせる)という法案は否決されたとのこと。

チリの人権団体、Movimiento de Integración y Liberación Homosexual (Movilh) は今回の結果について以下のように述べています。

「チリは世界に対して珍しいシグナルを送ることになるでしょう。わたしたちは間違いなく、結婚の平等より先に同性カップルの養子縁組を手に入れることになります。そのことはすぐにこどもたちに利益を与え、平等な結婚の禁止をばかげたものにするでしょう」

“Chile dará una inusual señal al mundo: sin duda tendremos adopción homoparental antes que el matrimonio igualitario. Ello, beneficiará a niños y niños en el corto plazo y dejará en ridículo la prohibición del matrimonio igualitario”

これまでの例では、まず同性同士の登録パートナーシップ(あるいはシビルユニオン、PACS)制度や同性婚の権利が認められ、それから養子縁組について争われる国が多かった(例:デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、アイスランド、ハンガリー、フランス、米国)ので、確かにチリのこのパターンは珍しいと思います。でもどっちが先だろうと、大切なのは安心して暮らせる人をひとりでも増やすってことだよね。上院でこの改正案がひっくり返されませんように。