石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

メーガン・ラピノーがトランプ政権批判 大きな波紋呼ぶ

MEGAN RAPINOE - USAサッカーウォールポスタープリント - 43 cm x 61 cm / 17インチx 24インチA2女子サッカー

サッカー米国女子代表のメーガン・ラピノー(Megan Rapinoe、『メガン』『ミーガン』、『ラピーノ』とも表記)選手がW杯がらみでトランプ政権を批判し続け、大きな話題となっています。このニュースはわりと日本語化されてるから、詳しくはこの辺を見てください。

www.afpbb.com

一連の騒動を見ていて思ったのは、まず、「政権=国家=絶対服従しなければならないもの」と思い込んでる(または、そういうことにしたがってる)人は意外と多いんだなということ。民主主義が嫌いで、絶対君主制が大好きなんでしょうね。でも米国は民主主義国のはずなので、彼ら彼女らがラピノーに向かって「国が気に入らなければ出ていけ」と言うのはヘン。まず自分たちが率先して、大好きな絶対君主制の国に亡命してみせるのが筋というものだと思うんですけど。

もうひとつ思ったのが、「トランプ政権を批判してホワイトハウス訪問を拒否したアスリートはこれまでにもたくさんいたのに、なぜメーガン・ラピノーに関してだけこんなに大騒ぎするの?」ということ。2018年の冬季五輪のときだって、フィギュアスケートのアダム・リッポン(Adam Rippon)、フリースタイルスキーのガス・ケンワージー(Gus Kenworthy)とデイヴィッド・ワイズ(David Wise)、アルペンスキーのリンゼイ・ボン(Lindsey Vonn)、リュージュのエリン・ハームリン(Erin Hamlin)、スノーボードのクロエ・キム(Chloe Kim)、クロスカントリースキーのジェシー・ディギンズ(Jessie Diggins)等々がホワイトハウスからの招待を断ってたでしょ。で、アメリカオリンピック委員会で20年以上スポークスパーソンをつとめた人が、こんなにたくさんのアスリートが招待を断るのを始めて見たとまで言ってたでしょ。詳しくは以下を。

あと、アダム・リッポンやガス・ケンワージーは、アンチLGBTなマイク・ペンス米副大統領のこともたびたび痛烈に批判してますよね。詳しくは以下を。

これまでこういうニュースに無反応でいたのに、ラピノーの話にだけ飛びついてご意見を開陳し始める人が多いっていうのは、要するに、マイノリティを狙った暴力が山ほどある中で、先日のロンドンバス内同性カップル殴打事件だけが異様に大騒ぎされた理由と同じだと思います。つまり、「シスジェンダーのブロンド*1白人レズビアンの話だから」飛びついているだけで、アスリートたちがなぜトランプ政権を批判しているのかとか、なぜそこにバックラッシュが起こっているのかとかには実はほとんど興味ないんでしょ、みなさん? ラピノー叩きの尻馬にだけ急に乗っかって「自分も一言言ってやる」と息巻いてらっしゃる方々が、己の無知と偏見を無残にさらけ出すだけで終わってしまわないよう、せいぜいお気をおつけになってくださるといいのですが。

*1:今はピンク色に染めてますけど。