石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

同性同士のキスを理由に13歳少女を学校から追放 ベネズエラ・カラカス

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ベネズエラ・カラカスの学校が、スクールバスで年上の少女にキスをしたという理由で13歳の女子生徒の行動を監視したあげく学校から追い出してしまい、批判を受けています。

詳細は以下。

www.ntn24.com

この6年生の女の子が高校生の女の子にマウス・トゥ・マウスのキスをしたのは2018年の5月17日のこと。彼女の通う学校、インスティトゥット・エスクエラ(Instituto Escuela)の職員らは、その3日後から彼女のあらゆる行動を監視し始め、2018-2019年の学年度が終わるまで見張りつづけたのだそうです。この女子生徒はトイレに行くにも保健室に行くにも学校のスタッフについてこられ、通学で使う交通機関でどこに座るかまで指示されたとのこと。学校はさらに、彼女のみならず彼女の兄弟まで、新年度から学校に再登録できないようにしてしまったのだそうです。

ベネズエラの国民議会の代議士でIDAHO議長のタマラ・アドリアン(Tamara Adrián)氏は、この一件を報じるニュースをTwitterで紹介し、「沈黙は、不寛容を好む人間のお気に入りの武器のひとつ」、「いかなる学校にも、教育を受ける権利を愛情表現を理由として否定することはできない」などとして同校を激しく非難しています。

英国の音楽ライターのキャトリン・モラン(Caitlin Moran)は、「ミソジニーにもとづく社会的プレッシャーが女にかかってるかどうか知るには、落ち着いて『男もこれやってる?』とたずねてみることだ」と書いてます*1。これと同様に、ホモフォビアにもとづく社会的プレッシャーが非ヘテロにかかってるかどうかを知るには、「ヘテロもこれやってる?」と問うてみるのがいいと思います。バスの中で女の子が年上の男の子とキスをしたら、トイレひとつ行くにも学校職員に監視されるようになって、あげく学校を追い出されるか? 答えはNOでしょ、そんなん。まごうことなきホモフォビアですよこれって。

*1:Molan, C. (2018). 『女になる方法』. (S. Kitamura, Trans.) . Tokyo:Seidosha. (Original work published 2012). p. 301.