石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

小学校でゲイいじめ 被害児童は不登校に チリ

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チリの小学校で6年生の男の子がホモフォビックないじめに遭い、不登校に追い込まれました。男の子は受けた被害の内容をノートにまとめ、「お願いです、何とかしてください」と書き添えていますが、学校は何の対処もしてくれなかったとのこと。

詳細は以下。

www.movilh.cl

いじめ事件が起こったのは同国の首都サンチアゴにあるエスクエラ・サン・ラサロ・デ・ラ・サジェ(Escuela San Lázaro de La Salle)という学校です。被害児童の母親によれば、いじめが始まったのは去る4月のことで、児童は性的指向が原因で顔に食べ物を投げつけられたり、トイレに行くときいやがらせをされたり、物を取られたり、蹴られたりしてきたとのこと。母親が学校に支援を求めても、学校は適切な対応を取らずじまいだったそうです。

最悪の事態が起こったのは2019年8月1日のこと。被害児童が教師から教室の鍵を預かっていたところ、クラスメイトらが時間前にドアを開けろと要求し、児童が断ると「オカマを殴らなきゃ」と言って20人がかりで彼を追い回したのだそうです。被害児童は学校中追い回されたあげく、誰にも(大人にも!)守ってもらえずにひとりで理科室に隠れて泣いていたとのこと。

被害児童は加害児童らの名前と、吐かれた暴言をノートにまとめ、泣いている顔の絵を描いて「お願いです、何とかしてください!」と書き添えています。リストアップされてる暴言がほんとにひどいんですが、どうにか日本語にするなら、「何かの役に立てよカマ野郎」、「クソホモ」、「ヤリマンのドスベタ」みたいな感じでしょうか。

しかしながら学校は「何とか」どころか何もせず、被害児童は重度のトラウマや学校への恐怖、不安、自尊心の低下、悪夢などが原因でついに登校できなくなってしまいました。結局彼は(通学せずに)試験を受けることで学年度をしめくくることになったんだそうです。

いじめられた子供が書面で助けを求めても学校が対応しないとか、いじめた側が学校に通い続けられる一方で被害者は教育を受ける機会を奪われるとか、まるで日本みたいですね。ただ、チリでは学校に通っている生徒らの61%が「教師によるLGBTI学生への差別がある」と言っているという報告があることを考えると、学校職員らのホモフォビアもいじめ放置の一因だったのかもしれないとも思います。そもそも大人がホモフォビックでなければ、子供がホモフォビックないじめをすることもないでしょうしね。やりきれないわ。